ATACリポート 2
ATAC2006リポート その212/1~12/3、京都にてATACカンファレンス2006が開催され、12/2・3と2日間、参加してきたとーちゃんです。少し時間が経ってしまいましたが、ある事情でまとまった時間が取れた為にせっかくなので自分達のためにも、まとめておく事にしました。(ATAC2006リポート その1)セミナーについてATACでは、セミナーの選択は自由に出来るので、例えば聴講中でもこれは面白くないなぁーとか、思っていたのと違うとかいった時には、途中で他の会場のセミナーに移動する事ができます。(だから、講師も緊張して頑張ってやるので、どんどん移動してくださいと、言われてました)と、いっても人気の有るセミナーでは聴講者が部屋から溢れていたりする事もあるので、残念ながら聴講できなかったものも有ります。今回が初めてのATAC参加だったので、最初は勝手がよく判らなくて、もっと事前にどのセミナーを受講するか決めておけば良かったと思いました。聞きたい内容がたくさん有るし、なのに時間が重なってたりして、選ぶのに苦労するほどでしたので。最も印象に残ったセミナーは、東京大学先端科学技術研究センターの中邑賢龍先生の「当事者との対話を通じて障碍を理解する」で、毎年ATACでは実際に障碍が有る方の話を聞いているそうですが、今回は知的障碍と診断された方との会話を通じて「理解できない」ことを理解しようという事でした。例えば、写真に写っている場面を説明してもらおうとしても、全体の話をしてもうまく説明ができないが、写っているものひとつひとつについては説明できるとかいう様に、少し聞き方を変えるだけで問題なくやり取りができます。実際、この女性は携帯電話でメールを書くことは多いそうで、言いたい事はいっぱい有ってもそれを筋道立てて順序良く説明するのが難しかったり(「うまく言えないし、言ってもどうせ判ってもらえんもん。」と、言われてました)、辞書を引くのが苦手だったりするそうなのですが、メールだとそれをゆっくり考える事が出来るし、漢字に変換するのも簡単にできるのだという事でした。今、彼女は大学で障碍の事を学びたいのだと言っていました。同じように障碍をもつ人たちを自分は理解できるので、支援がしたいのだそうです。中学校は養護学校に行ったそうですが、普通に中学校に行きたかったし、勉強についていけるようにしてくれていたら・・・という思いがあるそうです。本当の支援というのは彼ら彼女らの事を真に理解して、可能性を広げてあげることなんだと今さらながらに思いました。そう考えると、コミュニケーションの手段を検討することの重要性を感じます。香川大学の坂井先生のセミナーで、「問題行動を利用したコミュニケーションの方法」が非常に参考になりました。いわゆる発達障害児の「問題行動」と言われる行動によって、彼らは社会参加が難しくなっているのですが、逆にその「問題行動」に適切な代替のコミュニケーション手段を検討するヒントが有るというお話でした。周囲には問題行動であっても、それがコミュニケーションの役割を果たしているのであれば、それを注意して止めさせようとする事は改善には繋がらないという事で、見方を変える必要が有るのと同時に、その子が獲得しているスキルを使って、代替のコミュニケーション手段を家庭や学校で日々練習していく事が大事なのだという事です。何とかして他の人に伝えたいという思いが有って、そのような行動が起きているのだから、注意するだけではなくどうやってその思いを伝えればいいかと言う事を教えてあげる必要が有るという事ですね。参考にして、まずは行動観察をする為に我が家ではコミュニケーション記録をとり始めました。ゆっくりと、でも確かに前にすすんでいたいと思っています。(スモールステップ、大事ですよね)つづく・・・かな?