カテゴリ:社会の一こま
火見櫓(ひのみやぐら)に吊るしてある鐘を「半鐘」という。
高い櫓の上の鐘を盗むのには、よほど背が高くないと手が届かない。 そんな皮肉を込めてなのか背の高い人を「半鐘泥棒」と昔の人は言ったという。 ノッポさんには迷惑千万の話しであった。 現代でもついこの前まで、毎日のように、あちらこちらの金属類が盗まれたという事件が報じられていた。 当然、半鐘や寺の釣り鐘も盗まれている。 警戒が強まり、いく組かの窃盗犯も捕まったりしている。 そのためか、最近この種のニュースが下火になっている。 だからと言って現在でも、金物原料の需要が旺盛なのに変わりはない。 ということは、事件発生が全くなくなったわけでなく、報道の重要度が落ちたということだけかもしれない。 気を許すと私たちの回りから、すぐにでも発生する恐れがあるから要注意だ。 過去の歴史をひもとくと、中世にも鐘泥棒が流行したことがあると記録が残っている。 『今昔物語』には、数人の泥棒が手の混んだ芝居を打って、寺の鐘を盗み出す奇譚が登場する。 そんなもの盗んでも何の役目も立たないと思われていたのだが、溶かして鉄に変えれば何がしかの利益になることが分かった。 悪事は時代を何年でも飛び越えてまた発生することがよく分かる。 レイプだとか、殺人だとかという悲惨な事件も、昔でもあったということなのだろうか。 治安の重要性だけは、いつの世も変わらない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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