カテゴリ:社会の一こま
私の趣味のひとつに『手品』がある。
演じている者として、見ている人達が「アッ!」と驚く姿を見るのが何ともいえない醍醐味である。 そして、後で必ず「あのタネはどうなっているの?」と問い合わせるひとが表れるのも事実である。 「タネを明かすと、な~んだということになるので、秘密秘密!だって、種明かししたらもう二度と皆さんの前でやれなくなるものね」と言って絶対タネ明かしはしない。 場合によっては愛敬で、簡単に出来るもののタネ明かしは一つくらいすることはあるが、基本的にはマジシャンの間では安易にタネ明かしはしないことがルールになっている。 でも最近、テレビでこれはと思うくらい十分商業ベースでマジックショーをやれるものが、簡単にタネ明かしされる場面がある。 これを職業としているマジシャンにとっては困るだろうなと思ったりする。 案の定、この種の訴訟が起こったようだ。ネットニュースでは次のように報じている。 テレビ番組で手品の種を明かされ、損害を受けたとして、マジシャン49人が1日、番組を放送した日本テレビ放送網とテレビ朝日を相手に計197万円余りの損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。原告側の小野智彦弁護士によると、手品の種明かしをめぐる訴訟は初めてという。(時事通信) たった197万円とはどうしたことか? 本来ならもっと高い金額になってもおかしくないはずだが、これ以上種明かしが安易に行われないよう牽制の意味があってのことなのだろう。 テレビ局を大々的に攻撃すると、今後のマジックショー放映にまで影響することを懸念しているのかもしれない。 美味しい味をウリにしている食べ物のお店では、絶対秘密の隠し味は公表しないものだ。 手品師だって、これで食べているという演技のタネは、簡単に明かさないはずだ。 テレビ局と言えども、視聴率アップのために皆が知りたいタネをばらすことは、やるべきでない。 自称「素人手品師」の私も今回の訴訟に同調する。 「お前のマジックは、人をゴマ化す悪趣味の演技だ」と口の悪い連中に言われたことがあったが、人を唖然とさせる味を覚えたら、なかなか止められないですよね~(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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