リバ剣、という言葉をご存知ですか?
私もつい先日知ったばかりです。(テレビでみました)
リバイバル剣道 の略、だそうで、
過去に剣道経験のある人が(学生時代など)大人になって再び剣道を始める
ことを言うのだそうです。
なかなか、個人的にタイムリーな話題だったので見入ってしまいましたが、
なるほどよそではそういうお稽古の場もあるのですね。
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実は今年の夏、自分もお稽古の場に入りたくて、先生に一言
お断りして、1,2度お稽古に出向いたきり、行けずじまいです。
ちょっと家庭の事情といいますか個人的な理由があるにはあるのですが、
とにかく、どうしても竹刀を振る気になれない。(えらそうですがそのまま)
なので、支度をしてお稽古に行けません。
これは私自身の気持ちの問題なのですが
このリバ剣のシーンを見て、いろいろ考えたことがありました。
私がそもそも、剣道のお稽古を始めたのは30代半ばのことです。
長男、次男が小学生のときにはじめたお稽古の道場の先生から
「ずっと見ているなら一緒にやったらいいよ」と誘っていただいたのがきっかけです。
それまで、剣道の経験がない(!)私が、そんなのあり?という気持ちもありましたが
チャレンジしたい気持ちもあって、かなり思い切って始めました。
過去にブログに書きましたが、その後二段審査を目の前にして妊娠、出産のために
中断してそれっきりになっています。(><)
去年の夏から、三男がお稽古を始めて、母ちゃんもやらないの?ということばから、
そうか、防具はあるけどね、といろいろ考えて復活したいなという気持ちもありつつ、
道具をクリーニングして、バッグや胴着を新調し、竹刀も用意した。
のに、体が重い。
なかなか躊躇してしまうのです。
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リバ剣といっても、リバイバルする人たちにもさまざまで、
若いころどのくらいまで剣道をやっていたのかも、その後の剣道人生に(おおげさかもですが)
無関係ではないとは思いますが
(とはいえ、学生時代強豪であっても、その後もう竹刀を握るつもりがないと言えばそうなるのだと思うのですが)
私のような者は、そうそうガッツリやれていたわけでもないと思うし、
復活も何も、ベースがないのだからという自信のなさ、情けない限りなのですが
突然、お稽古をしている姿をほかの保護者の人がみてかなりびっくりした様子でしたが
それでも、
「私も素振りだったらできそうかしら」
というような人もいて、
え!ぜひやりましょうよ!
と言いたかったところなのですが
私もそうですが、
体を動かしたい保護者の人って結構、いると思うんです。
道場でずっと子どものお稽古を見ている時間が…もったいない…ような(あくまで個人の感想です)
せっかくなら一緒にやればいいのにな~と私なんかも思うわけですが
いかんせん、私は先生じゃないし、教えることもできないです。
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ちょっと脱線しますが
思い起こせば、私のようなど素人がなんでお稽古させてもらえていたのだろう。
それは、私の親世代くらいの年代の、道場のM先生が声をかけてくださり
面倒をみてくださったからに他ならないのでした。
(もちろん私も、ついていかねばととにかく必死でしたが)
そもそも、大人から始めるハンディもありつつ、
私なんて運動のうの字もやったことがない。
御世辞にも素質があるとはいえず、ほかの保護者の人も
あの人、一体なにがしたいんだろう?ってな感じだったと思うんです。
それでもM先生は、根気よく、実に丁寧に教えてくださったのでした。
「大人から始めたとか、どういう実力だとかそういうことを言う人がいるかもしれないが
そんなことは関係ない。年数なりに一生懸命やっているのだから気にしなくていい」
とはっきりおっしゃってくださいました。
もちろん、ご指導は厳しかったですが
下手クソな自分がいたたまれない日々ではありました。
それでも、教わったことはできるようになりたい。
道場でないとできないお稽古には限界がありましたが、
形の稽古などは、鏡があって個人でなら安く使える女性センターみたいなところに
木刀と杖(じょう)を持ち込み、何度も練習しました。
練習して身になったところがあったのか、メダルなどもいただいて
自分でもがんばったなと自画自賛していたのですが
それもこれも、ご指導くださる先生方のおかげです。
その先生の言葉の中の一つに気になるフレーズが。
「剣道はエクササイズじゃない」
という言葉が、今もよみがえります。
ここで、リバ剣の話に戻りたいのですが、
リバ剣に限らず(そもそも私はリバ剣じゃなかった)
大人から始めたい人も含めて気になるのは
「剣道」と「エクササイズ」の違い、ではないかな?というところです。
単純に、素振りをすれば肩こりが解消するとか
運動不足が解消する、ということもあります。
体を動かすのですから、そういう側面はあるのですが、
「エクササイズじゃない」がどうしても気になる。
いま教わっている先生も、お稽古中の素振りのときに
「素振りは準備運動じゃないぞ!しっかり!一本決めるつもりで一本一本振ること!」
とご指導くださっていて、ハッとします。
運動、というと
初めはゆるやかに初めて、無理せずに、自分のペースで
というようなことが、私のような中高年が希望するポイントかと思うのですが
なにぶん、剣道は先生方もいくつになっても修行!とおっしゃっているくらいですので
やはり、ただ振り下ろすだけではない何かがあって
厳しい中でご自身を鍛えていらっしゃるのです。
武道のそういう側面と
いくつになってもできる、という部分と
なんというのか、やったことないような人でもそこに入っていける
とっかかりみたいなものってないんだろうか?
などと、ここのところ、思っています。
気軽さと修行、がどうしても相反します。
(修行というのは精神の鍛錬、というようなところもあるようで、
精神、心を鍛える。というのもいくつになってもできることの一つなのかもしれませんが、
いわゆる心の姿勢、みたいなものも、日々のお稽古の中で鍛えていくもののひとつのようです)
最初からきついことをするわけではなく、徐々にスタートして
厳しさにも慣れていける、というのがいいのだろうなあと
漠然と思ったりするのですが。
それも私が指導するわけでもないし、
そういう思いのある方々のお力も必要になってくるし
何が正解かもわからない世界なので…。
(もしかしたら過度なお膳立ては無用、という考え方もあるのかもしれませんし)
それにしても、本当にもたもたしている私をご指導くださった先生方に
いまさらですが、感謝の気持ちが湧いてきている今日この頃です。
いつかお稽古に復活できるのだろうか。
やる気が起きる日がくるのだろうか。。。