カテゴリ:多言語・国際交流・ヒッポ
なにかと問題が多かった北京でのオリンピック、やっと始まりましたね。
なんとか閉幕まで平穏に過ぎて欲しいものです。 ところで、開会式をちょっと見ていて気づいたのですが、 場内アナウンスがフランス語、英語、中国語でされていましたね。 英語は一応共通言語、中国語は開催国だから理解できるとして、どうしてフランス語なの?と疑問に思い調べてみました。 1896年に近代オリンピックを創設したピエール・ド・クーベルタンがフランス人だったため、その栄誉をたたえてアナウンスはフランス語で最初にされるのだそうです。 (ピエール・ド・クーベルタンってフランス人だったんですね) ところで、近代オリンピック創設時、フランス語は五輪大会の公用語となったのですが、最近はその存在感が薄れていたようで、今回の北京オリンピックを機にフランス語の地位回復をめざすキャンペーンが繰り広げられたようです。 場内の案内板や、関係者などに配られる印刷物にもフランス語が登場しているとか。 しかし、このキャンペーンにはフランス語を偏重し、保守しようという偏狭な考えは一切なく、「言語多様性の原則を尊重すること」が大切と考えての事だそうです。 「言語が単一化されると、ヒューマニズム、差異の尊重、相互を豊かにする異文化遭遇であるオリンピック競技と表裏一体の多様性の価値が侵害されるおそれがある」「言語は、国家間の歩み寄りの決定的要素」 なのだそうです。 参照 これって、まさにヒッポの考え方と同じですね。とても共感します。 ちなみに、入場行進の順番は、オリンピック発祥の地ギリシャが先頭、最後が開催国と決まっていますね。その間の順番は原則として開催国の言語の順番となっているそうです。 したがって、欧米で開催された過去のオリンピックもその国の言語でのアルファベット順で入場したとか。 例えばドイツの場合、ドイツ語ではDeutschland、英語ではGermany、フランス語ではAllemagneと開催国によって順番が大きく変わるそう。 ただし、1992年のバルセロナオリンピックでは、カタルーニャ自治州の公用語でもあるカタルーニャ語に配慮してスペイン語ではなくIOC公用語のフランス語の順番で入場したんだそうです。 今回は、各国の中国語読みの漢字の画数順だったようですね。行進の時のアナウンスで知り、面白いなと思いました。だから日本は比較的早い行進だったように思います。 また、韓国のときは、ハングル順だったのだそうです。 日本ではどうだったかというと、1964年の東京オリンピック当時はアルファベットを使わない国での初めてのオリンピックだったため、世界中に分かりやすいということで英語のアルファベット順で入場したんだそう。その後の札幌、長野でもアルファベット順でしたね。いまさら遅いですが、中国や韓国のように自国の文化をアピールするためにも五十音順の入場にすればよかったのに~~残念です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[多言語・国際交流・ヒッポ] カテゴリの最新記事
|
|