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カテゴリ:感覚で楽しむア~ト
今週のABTの演目は"Don Quixote"。これで「ドン・キホーテ」と読みます。「ドンキ・ホーテ」だと長年思っていました。風車を巨人と勘違いして突進するあの「ドン・キホーテ」です。でも、バレエでは彼は主役ではありません。
初日の今夜はEthan StiefelとGillian Murphyのカップル。オープニングのガラでは、2人でこの「ドン・キホーテ」のパ・ド・ドゥを踊ったのですが、本調子では無かったとお見受けしました。ミーハーにも出待ちをその日にしたのですが、待てど暮せど2人は出てこなかったので、お互いで慰めあっているんだろうか・・などと妄想してしまいました。絶好調の2人だったらもっと魅せてくれるんだろうなぁ・・と思っていたところ、友達Cさんからお誘いを受け、急遽行ってまいりました。 バレエ「ドン・キホーテ」はキトリとバジルのコメディタッチの恋物語です。従者サンチョ・パンサを連れて物語に出てきたドルネシア姫を探しに旅をするドン・キホーテ(この日はジュリー・ケントのご主人が扮していました)。途中バルセロナでキトリを見て、ドルネシア姫だと思い、最後はキトリとバジルの仲をとり持つために一役買う・・というストーリーです。 Sancho Panza Alwjandro Piris-nino Kitri Gillian Murphy Basilio Ethan Stiefel Mercedes Veronika Part Espada David Hallberg Flower Girls Yuriko Kajiya / Misty Copeland Gypsy Couple Sarawanee Tanatanit / Sacha Radetsky Queen of the Dryads Kristi Boone Amour Sarah Lane シリアスなエスパーダ役がはまったホールバーグとベロニカ・パルト この演目はABTの十八番らしく、今期のABTのチケットやバナーは1幕のキトリのジャンプ(体操の和跳びのような・・)です。それにしても、初日とはいえ贅沢すぎる配役です。最近「私好きかも・・」とやっと気が付いたラディツキーは2幕目、ジプシーカップルとして登場。上半身裸で筋肉ムキムキな体は私には眩しすぎました。今日はタトゥーを塗って隠していましたが、先日のTwyla Tharpの新作のような軽快なバレエを踊る姿が好きです。もう1回ラディツキーのジプシーの役が見れると良いなぁ。 コメディの中で頑なにシリアスでナルシストなエスパーダ役のホールバーグははまり役でした。白い闘牛士の服装も似合い、エキゾチックなパルトとの相性も良かったと思います。 愛のキューピット役のサラ・レーンもとっても可愛くて、その可愛らしさに惑わさせてしまいましたが、ステップはかなり複雑そうでした・・。 舞台が終わっての2人。なんとなくほのぼのとして愛を感じる一枚です。 衣装も舞台もカラフルで何か元気を与えてくれる演目でした。金魚のようなオレンジ色のキトリの衣装も、お菓子のようなフラワーガールズの衣装もとても可愛らしかったです。 そして何といっても、主役の2人が素晴らしかったです。コミカルな役がはまるのか、イーサンがとても楽しそうに踊っていました。それ以上に全幕出ずっぱりのジリアン・マーフィーが輝いていました。見ながら友達に「品の良いマドンナみたいだね・・」なんて言ってしまいましたが、とてもセクシーで、かつ安定感がありました。3幕目のグラン・パ・ド・ドゥの32回転のフェッテでは堂々としており、しかも扇子を開いたり閉じたり・・もう本当に素晴らしいモノを見させていただきました。 途中でコールドのダンサーが珍しく舞台上で膝をついてしまったシーンもありましたが、何が良かった・・って、こんなに観客が笑顔でMETを後にする演目は初めてでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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