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カテゴリ:感覚で楽しむア~ト
ミュージカル"RENT"をやっと観て来ました。映画化され、私の周りでも熱狂的なファンがいる演目ですが、集客数の減少で今年9月7日に幕を下ろすことに。
ある年のクリスマスイブからの1年間を舞台にしたイーストヴィレッジに住む若者たちの話。ドラッグが元で恋人を死なせてから引きこもり気味の元ロックミュージシャンのRogerと、映像作家で恋人を女性にとられたMarkはルームメイト。2人は元ルームメートで今は家主のBennyからRENT(家賃)の催促を度々されるが払えない。イブでもロジャーは部屋でギターを鳴らしている・・と、そこに階下に住むダンサーでドラック常習者のMimiが蝋燭の火をもらいにやってくる。このイントロダクションはまさにオペラ"La Bohème"。「ボエーム」を下敷きに、ドラッグ、ゲイ、レズビアン、HIV感染、黒人、ジューイッシュ、アーティスト、弁護士・・そして日本人(日本人の役で出演はしていませんが)と、いろ~んな個性がぶつかりあう舞台です。 全く予備知識無し(ストーリーすら調べず)で劇場に向かいました。ここのところ、METで優雅なバレエを息を殺して見ていたので、ネーデルランダー劇場のペンキ塗りなおし(しかも雑)の天井や、ムキ出しの舞台セットに「これがミュージカルの世界だわね」と変に納得しておりました。 オーケストラは舞台上(下手「へた」じゃなくて「しもて」)で演奏をし、ロジャー役の役者さんは歌い、演じ、指揮を見ながら自分でもギターを演奏していました。みんなそれなりに抱えているものがあるけど、毎日を楽しく生きようとする姿が描かれていました。今年に入って知り合いにカナダで式を挙げたゲイカップルがいますが、彼らの姿を見ていると2人で楽しむ姿を思い出しました。コレが幸せなんだよね、コレが良いんだよね・・と目で会話しながら話している姿が。丁度CollinsとAngelのように。彼は何人も友人をHIV感染で亡くしており、1度だけ話を聞いたことがあります。 ファンに囲まれる"Angel"役のJustine Johnstonさん。 NYが舞台だけど、目の前で繰り広げられるNYは私の知らないNY。でも。日常の中で(普通に仕事に行くときなど)、たま~に文字通り玄関をあけて外に出ることに、足取りが重くなることがあります。日本にいてもありがちな面倒くさい・・というときもありますが、外界との扉がすごく重くて、勝手に意を決して「さぁ、異国の地アメリカのNYなる街に出かけまする」と扉をあけるときがあります。別に気分を害するようなことを言われたりされたり・・ということがあったわけでは無のに。外国人の自分を意識しすぎて、自分に対して心もとないときがあります。私の英語はオカシクないか、meanな人間になっていないか・・と。 そのような状況を思い出して観ていたら、友を労わり、友と喧嘩し、友と死に別れる・・そんな彼らの舞台が結構胸にきましたね。ラスト、「ラ・ボエーム」とは違っているのですが、それでも舞台が終わったときには、ウルッときていました。 個性もですが、音楽が実にいろんなジャンルに富んでいて素晴らしい。脚本、作曲、歌詞は今は亡きJonathan Larson1人で作ったというから驚きです。一緒に行った友人が2幕目の頭に歌った"Seasons of Love"が映画の予告編でも流れていて凄く良かった・・と教えてくれました。music videoを観るとNYの街並みが本当に素敵に映されていて、曲を聴きながら観ているだけで胸がいっぱいになってしまいました(ロジャーとマークのアパート、"Center Stage"でイーサンが住んでいたアパートではないかなぁ?)。 今度の日曜日(6/29)は期せずしてHeritage of Pride Parade。正午から52丁目を起点に5th Ave沿いを南下し、グリニッジヴィレッジまでパレードします。テレビでもこの週末Brokeback Mountainを放映していました。やっぱり風景がきれいで、ラスト泣いてしまったぞよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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