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テーマ:美術館・博物館(1556)
カテゴリ:感覚で楽しむア~ト
春に出版予定の雑誌の手伝いをしたときに、どのデザインが表紙に良いか編集長に相談されたことがあります。その雑誌の趣旨と購読層を考えて2つのデザインを選びました。が、あちらは真っ黒を編集会議で押したいそう。「NYでは黒が格好よいし、奇抜だから手にとってくれる・・」という意見だったのですが、ちょっとターゲットを考えると奇をてらいすぎていて、この場合黒はクールというよりは、汚く見えてしまう・・かな、とやんわりと感想を言いました。結局、本人がCMや書店に並ぶ雑誌を見て、黒のインパクトが思ったよりも強すぎたと納得したようです。 NEW YORKERという週刊誌があり、私の周りでは購読している人が多いです。薄いのでサラサラと読めることもありますが、表紙がきれいなので買っている・・という人も結構います。気に入った表紙は読後、額縁に入れて飾るんだそうです。文春や新潮が読み終わった頃に発売されるAERAはカラーできれいな分、他に比べて若干高めです。なので、表紙の人によって買わなかった週も確かにあったかも。確かに定期購読していない限りは、お店で実際に手にとってもらわないことには書籍は売れません。MoMAではなかなか面白い雑誌のカバー展George Lois: The Esquire Coversを開催しています(~2009.3.30)。 ジョージ・ロイス氏はエスクワイヤ誌の表紙を1962~1972年まで手がけたアートディレクター。政治的なメッセージを込めたものが多く、宗教上の理由で徴兵を拒否したモハメド・アリに似たような境遇の絵画をモチーフにした矢を立てたり、ケネディ兄弟とキング牧師をアーリントン墓地に立たせたり・・。合成前のキャンベルスープと溺れるアンディ・ウォーホールの写真もありました。 なかなかインパクトのある表紙で最初に手がけた表紙もなかなかチャレンジャーです。ヘビー級タイトル王者フロイド・パターソンが刑務所でボクシングを覚えたソニー・リストンにいきなり1RでKO負け。そのパターソンにKOされた様子をリング上で再現してもらう・・という怖いもの知らず。ちなみに相手のリストンは一年後、サンタの格好で表紙に(上の写真)。人間見た目が9割・・なんて本もありましたが、表紙は何割なのかな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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