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2006年10月11日
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カテゴリ:連載小説
 

 

 

  ところで、その中尉ってえのは、何をやらかした

 んだ、って?

 長橋中尉はね、150人の兵を率いて麹町の

 鈴木貫太郎侍従長官邸に乱入したんだよ。

 ところが、めざす侍従長に天誅の弾丸を浴びせたら、

 夫人が泣いて夫の命乞いをしたっていうじゃないか。

 そこは、長橋中尉のことさね。女子供に手出しは

 しやしないのさ。

 やむなく夫人の懇願をききいれて、とどめの刃を

 刺さないで、さっと敬礼して、その場を引きあげた。

 そのおかげで鈴木侍従長は死をまぬがれたんだよ。

 その引き際は、さすがに鮮やかなものだったよ。

 小勇姐さんは、この話をひとつ話にしては

 中尉のことを自慢してたよ。

 惚れ直したってね。

 私だって同じ気持ちだったよ。

 中尉はにがみばしった、いい男だったから、

 私だけじゃない、ほかの芸者衆にもずいぶん

 もてたしね。

 このことで、また一段と男をあげたってわけさ。

      (続く)

 






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Last updated  2006年10月11日 06時41分23秒
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