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2006年10月12日
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カテゴリ:エッセイ

 

 

 夢のつづきを見るなんて、生まれてはじめてです。

 まず前編は、大学のころ心ひそかに好きだった人が

 ある日突然たずねて来て、二人で手と手をとりあって

 恋の逃避行ということになりました。

 貨物船のような大きな船に乗って、船底の客室だろうと

 思いますが、大勢の人がいるなかで身をよせあって

 一枚の毛布にくるまれているのです。

 寄り添っていても、私にはその人の体のぬくもりが

 つたわってはこないのが、もどかしくてたまりません。

 それでも二人はしっかりと手をにぎりあってはいるのです。

 「あの時君は卒業したら、田舎に帰って親のすすめる人と

 結婚するっていったんだ。

 だから、俺は君にふられたと思った」

 と、彼は小声で言いました。

 そこで、目がさめました。

 夢をみていたんだ、それもあの人の夢を。

 そう思いながら、階下におりて用をたして、また

 ベッドにもぐりこみました。

 不思議なことに、また前の夢のつづきを見たのです。

 シーンは前とおなじ船底の客室でした。

 二人とも一枚の毛布にくるまれております。

 彼は前の話のつづきをはじめます。

 「だから、俺は君をあきらめようとした。

 検事に任官したとたんに網走に行かされたよ。

 そりゃ、寒いところでねえ、君が恋しかった」

 そう言う彼の背広にはひし形の検事のバッチが

 光っていました。

 「もう、これはいらないわよね」

 私はそう言いながら、そのバッチをはずしました。

 「うん、もういらないよ」

 彼はこれですっきりしたという顔をしました。

 二人して甲板に出て、彼はバッチを海に向かって

 投げ捨てました。

 そこで、目がさめました。

 気がついたら、枕が涙でぬれていました。

 いったいどこであの人とはぐれてしまったんだろう、

 と思うと、哀しくて涙があふれてきました。

 

 

 






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Last updated  2006年10月12日 15時10分20秒
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