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2006.06.26
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『海運王の花嫁。』と『恋愛カタルシス』
少し古い小説を、2冊一気に立ち読みをしてきてしまいました。
如実に出てしまった自分の好みに、やっぱりね、って……。



新書 海運王の花嫁。/六堂葉月/氷栗 優/リーフノベルズ

海運王の花嫁。好き度的には★3(★1~★5満点)  発行年月:2005年04月
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あらすじ

考古学者志望の海咲がスポンサーに狙いをつけたのは、海運王として世界に名を轟かせるギリシャ人の大富豪、ラルフ! 海咲は彼の花嫁選びのパーティーに潜入し、2人きりになるチャンスを手に入れた!! 
……までは良かったけれど、ラルフは願いを叶えてほしければ身体を使って口説いてみせろと海咲を押し倒してきて──!? 
黄金の髪と紺碧の瞳、華麗で大胆な海の王様と、とことん庶民で頑張り屋な日本人青年とのロマンスが、エーゲ海を舞台に超豪華客船で繰り広げられる!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメディタッチの軽~い感じで読めちゃった本ですよ。

六堂さんって、お金持ちな王子様が好きだなぁ、それも鬼畜系の…って思わせられるお話で。
そんな…唯我独尊系の王子様が攻さまで、フツーでどちらかと言えばやんちゃ系元気君が受。
ま、王道・・なお話しなんですが。

海咲はちょっと悲壮感漂って頑張らなければいけない訳有りで、亡き父の意思をついでの遺跡調査をする為に、大富豪のラルフにスポンサーになって貰わなければならなくて、いわば背水の陣でラルフの前に挑んで行くのです。
けど、ラルフは女装して、日本人形みたいな海咲には興味を持っても遺跡発掘なんてものには興味が無い。
けれど海咲に興味を持ったラルフは強引に押し倒し抱いてしまい、
尚且つ望みを叶えたければ口説き落としてみろと、
自分の花嫁選びのクルーズに招きいれ、傍に居ろと強要する。
時折優しさを見せるラルフに、
気が付けば惹かれていた海咲は自分でもどうして良いか解らず――。
これでもう終わり!と思った時に見せた海咲の決断が、ラルフに決意を促す。

……いや、何やかや言いながら、ラルフは海咲に一目惚れしていたらしいから。

王子様攻の、強引に自分のテリトリィに引き込んで、巻き込んでっていう…
…受視点なのだけど、何とも安定した安心感の有る内容なのでした~。

何だけどね、いやはや本当に、そうなんですかの王道で、軽くて、アッサリとしていて、
読み終わってもそれでお終い、の世界なのよね。

楽しいから読んじゃうんですよ。
でも、それなりに、どんでん返し的事件も用意してくれているんだけれど、
あまりにも予想通りに展開してしまっていると言うのも、むむむ……。

詰まりはそんな訳で、ササッと読めて面白かったんだけど、
後に残らないお話だったと言うことで、ポイントちょっと低めなのでした。





続けて読んだのが、って言うか、態と同じ六堂さんの本を選んでみたのでした。




新書 恋愛カタルシス/六堂葉月/門地かおり/I novels

恋愛カタルシス好き度的には★4(★1~★5満点)  発行年月:2001年09月
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あらすじ

「安心しなさい。誰にも言わないから―君しだい、だけどね」7年ぶりに帰国した美貌の幼馴染み・蒼に脅迫され、多紀は強引に身体を奪われた。密かに恋している蒼の弟・篤司に、その想いをバラすと脅されたのだ。蒼は自分を篤司の代わりだと思えばいい、と残酷に囁き―多紀への要求は、身体を重ねるごとにエスカレートしていく。激しい嫌悪を持ちつつも、多紀は冷酷かと思えば、ふいに優しい一面もみせる蒼に戸惑って…。歪んだ愛情の行方は―?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


こちらの方はかなり昔のお話になるのかな。
読み始めて、そうか、そう言えば六堂さんて、こんなお話も書く人だったんだって思い出したのね。
だって、このごろ読んだのは、明るいコメディタッチの話ばかりだったから。

で、このお話は、シリアスに切ない話でした。
エロ度も高めなのかなぁ。
高いなぁと思いながらも、心理劇の方に心は動いていたので、
エロシーンは少し飛ばし気味だったかもしれない。

本当に小説の中にのめり込んで読んでいる時には、エロシーンって結構邪魔なのよね。

で、本編。
歪んだ形の関係で、何処か歪と気が付きながらも、
何が歪なのか、何処から歪んでしまったのか、其れさえも解らない。

そのショックな事件をきっかけに、記憶のすり替えと記憶の欠落を起こしてしまった多紀。
本当は篤司に惹かれながらも、弱みを握る蒼に抱かれる日々。

心の中に葛藤を渦巻かせながら、その解を得ることが怖くて出来ない?

話事態の展開は、これも読めるんですよね。
登場人物のささやかな言動で想像が付くのですが、其れがその通りに展開されるにしても、
引き込まれてしまう。
この差はいったい何なんだろう?

多紀の心の中を探るように進められていく話に、切なさを覚え、
人の心の裏を推し量るような、抉る様な荒さに其れこそ堪らなくなってしまった。

傷付けずにはいられない、でも愛しくてたまらない。
その気持ちのすれ違いに胸が苦しくなってしまった。

多紀の記憶が鍵となって進められて行く話に、
多紀の記憶に違和感を覚えていた多紀自身と篤司と、
穏やかな日々を壊していくのが物語の始まり――。



コメディ系の明るい話と、少し暗めの切ない系の話。
自分の好みが如実に出てしまった感想でしたわ。























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Last updated  2006.06.26 23:12:16
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