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カテゴリ:BL感想|小説メイン
春原さんの本は久し振りに読んだ気がする。
……一応商業誌は全部買っているのだけれど。
久し振りに春原さんの描く音楽の世界。 主人公はヴァイオリニスト。 春原さんの描く物語は独特の雰囲気が有って、世界観を作り出している。 う~ん、、、正直ツッコミどころ満載なのよね、最初から。 だけど、その雰囲気が、出来上がっている世界の中で完結しているから、 ツッコミ部分が如何でも良くなってしまう……と言う、ある意味力技的な作家さんだと思う。 その独自な雰囲気の世界観にヤラレテシマウ読者=ファンが多いんじゃないかとも思う。 ……私もその一人(苦笑) 兄の高嶺に籠の鳥状態で育てられた天嶺は、そこから出たことで今の自分に疑問を持ち、 ダニエリに背を押された事で自分の事を自分で考えるようになり、 流れるままに兄の籠を飛び出しダニエリの傍で己の羽を思うがままに伸ばすようになる。 兄の歪んだ愛情と言う鎖に繋がれて飛べない鳥だった天嶺が、鎖を断ち切り籠を飛び出し、 ダニエリと言う巣に羽を休めながら空を自由に飛びまわることを覚える―― まぁ、そんな話。 音楽家の、演奏や音楽に対する葛藤は、確かに描かれて入るものの、 それよりも精神的なものの方に重心が有るのかな、と言う気がする。 突っ込みたかったのは、天嶺は会ったその日に何の感慨も無く(そういう様に読めた)、 どうして行きずりのダニエリにされるがままにエッチに雪崩れ込めるのかなぁ、 まして初めてだったと言うのに。 そこまで天嶺は投げやりだったのか?そんな風には受け取れなかったのだけど。 高嶺に縛られて、そこから飛び出してと言うのはいいものの、 なら、もっと葛藤が有ってもいいんじゃないかと思うし、 それだけ天嶺に執着していた高嶺が、 何で何もしないで手をこまねいていたのかと言うのも不思議。 本編は天嶺視点だから天嶺の事情しか描かれないのは仕方ないけれど、 その高嶺の空白は、描かれている執着度合いからすれば不自然だと思う。 後日談的にその時高嶺は~というSSが入っているけれど、高嶺が倒れるまでの時間と、 その後にしても、ちょっとアッサリし過ぎだと思うのね。 まぁ、ヴァイオリン製作者のダニエリが天嶺に自分のヴァイオリンの具現?を感じるのは 一目惚れみたいなものかな、と納得は出来る。 とか色々思いながらも、その雰囲気に流されて、まぁ良いか。と。 汞りょうさんのイラスト。 綺麗なんだよね。綺麗なんだけど、微妙に筋肉の付いた逞しい絵で……(苦笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.01.28 23:42:31
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