|
カテゴリ:BL感想|小説メイン
今更ながらの本なのかなぁ……と思いつつ、樹生さんの新刊を買ったなら、
何故か他の樹生さんの本が読んで見たくなり~、、、。 ありのままの君が好き/樹生かなめ/雪舟 薫 ちょっと昔の本ですね。 出た時には……表紙の絵に引いちゃって、読めなかったんだ(笑) 何でだろう??? このド派手なショッキングピンクにバラの花束を抱えた色男が二人――。 あ……あはっ(^_^;A フツー表紙に描かれる人物って主人公だよね!? ま、確かに主人公…の一部…なんだろうけど(どういう意味じゃ)、肝心のブーが居ない!(笑) 中身は確かに公式にある粗筋どおりなんだよね。ホント。 で、この表紙の男二人は誰かと言うと、ピンクの薔薇を抱えているのが主人公のお父さんで、 赤い薔薇を抱えているのが恋人になる彼。多分。 何かね、どうにも納得できないままに読んだのよ、あの絵は一体誰!?ちょっと拘った(苦笑) んで、中身を読んでも肝心の主人公のまともな絵は無い!(笑) 身体の一部とか、たぷたぷのお肉とか(苦笑)、そんなものは有るけれど。 それは――やっぱBL的にはこの主人公のビジュアルはNGなんだろうな~。 NGな風貌なのに、堂々の主人公! 文章を読んで想像して、想像できる範囲で考えて――えっと、限界値で頑張って、 ううむ…… 引くな。 絵が無いから想像の中でフィルターを掛け、お茶を濁すような形で妥協して、 だからこそ読めるファンタジーなのか――と言うことなんだろうな。 主人公の絵の無い事と、規格外の主人公のビジュアルに、無理やりそう結論付ける(-_-;) 美男美女の子どもなのに、寿杏と言う名前がこれ以上似合わない風体はない!『ブタゴリラ』 2m長の身長に、体重は……痩せて170kg? 最後の最後に寿杏の必死のダイエット(食事制限)に、父親・恋人こぞって 『ブタゴリラ』-『ブタ』=『ゴリラ』 だから止めろ!と懇願する!(笑) つまり、顔はゴリラで、身体は更にお肉ぷるるっっんの……心は純粋繊細な乙女、が主人公。 取り巻く人物は、ダンディなやり手弁護士の過保護な父親に、 その事務所のイケメンなイソ弁で、高校の同級生だった、後の恋人。 その二人に守られ寿杏を中心に、やり手な父の部下のと、 大学の時のたかる事しかしない同級生や、 息子を食い物にしようとする寿杏を置いて出て行った美人で派手な母。 心優しい苛められっ子の寿杏はお決まりの如く引篭もり生活をしているけれど、 出て行った母の代わりに完璧な家事で父親と暮らしている。 可愛い可愛いと絶大なる愛情で甘やかして囲ってきた父親の思惑通りなのか、 イジケっ子だけれど、純真で素直な心を持っている寿杏は稀有な存在なのかも知れない。 だけど、故意に父親に依存しなければ生きていけない状況に囲われている寿杏、 お父さんが死んだら僕も死ぬ。と言い切るほどのファザコン。 そんな寿杏に尽くされ思われ幸せなものの、そこはやっぱり父親で、 その先を心配した父親は、何時か自分の代わりに寿杏を守ってくれる人物にと、 一計を案じ、たまたま寿杏の同級生だった事務所の若手弁護士・英俊二を連れてくる。 以前は寿杏苛めていた英も、自分に似た性格の英なら、この寿杏を好きにならない訳は無い! まんまと父親の策略に嵌ったんだろうね、二人とも(笑) 最初苛められていた過去に怯え、英を避けていた寿杏。 珍しい可愛い生き物に思えたのか、素直で純真な寿杏に癒されて、惹かれる英。 そんな英に押されに押され捲くり、……落ちている……寿杏(苦笑) お約束だなぁと思いながらも、この格好良い男が(画像を見よ!)何で!?どうして!? 絵にも描けない『ブタゴリラ』に惚れるのか!? 見た目は関係ない!有ろう事か、デブ専ゲイの…とまで言わせ(爆) まね、このタイトルの『ありのままの君が好き』がこの話の全てなんだろうな、と思う。 見た目が『ブタゴリラ』でも、イジケっ子でも、繊細で純真で心優しい寿杏は可愛いと思う。 絵が無いからこそ、ビジュアルを考えないでいられるから、その性格だけで、可愛いなぁと。 相変わらずの樹生さんの文章は、本当、話聞けよ~!(苦笑)と言いたくなるヤツらばかりで、 引っ込み思案で人見知り、おっとりした寿杏を置いて行くように、周りでサクサク話が進み、 巻き込まれるのか引き摺られるのか、オロオロしながら付いていく寿杏。 樹生さんの文章だから、軽くてテンポが良くて、アッサリかわされる感じで コメディタッチで流して有るからあんまり感じないで読んでしまうけど、 ちょんと読み込めば、かなり辛辣な事が書いてあるんだよね。 言葉の苛めも虐待も、寿杏の自虐的思考も、親からの仕打ちも。 お金をたかられたって、彼だけが自分の相手をしてくれたと、助けようとする、 例えそれがテスト前のノート1冊レンタル1万円の付き合いだったとしても。 それはお人好しと言うよりは、悲しすぎる過去だから、唯一の救いだったんだろうな。 登場人物の性格設定もあるのだろうけれど、 悲惨な中身に関わらず、ふわふわ明るく描かれている話。 ふと思ったのは、似たような話、同じ設定で他の人が書いたらな、 こんなに明るく軽く流せないだろうな……。 まぁ、それがぞれぞれの作家さんの持ち味と言う事なのでしょうけれど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[BL感想|小説メイン] カテゴリの最新記事
|