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2008.03.16
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「セブンデイズ MONDAY→THURSDAY」に触発されて、……続けて橘紅緒サンの本を読んた。
意外に嵌ってしまいましたね(苦笑)



 
[新書]唇で壊される。/橘紅緒/奈良千春
…………………………………………………………………………
かつて年上の男との恋愛に傷ついた神流柚槻は、
以来本気で誰かを好きになることができなくなっていた。
キスまではいい。でも、それ以上は許さない。
そんな柚槻の周囲には何人もの遊び相手がいた。
けれど、丘智周と出会ったときから、なにかが変わり始めた。
誰にでも優しく接し、相手をその気にさせる智周に恋人が途切れることはない。そんな男に本気になってはいけない。
そうわかっていても、惹かれる心は止められなかった。
つきあい始めたふたりだが、好きになるほど不安と寂しさは深まっていき…。

お薦め度的には★3.8(★1~満点★5)好き度的には★3.8


「セブンデイズ」の感覚でよんでいると、慣れない作風だなぁと。
前の時にも思ったのだけど、全く違う感じの話の雰囲気に仕上がっている。
漫画の原作と、自信の小説の違いが出ているからなのかなぁ。
悪くは無いのだけれど、嫌いではないのだけれど、
「セブンデイズ」を良いなぁと思ったほどの感動が無くて。
だけど、感覚的には同じものなんだろうな、とは思うけど。

でも、もう少し読んでみたいかなぁとは思った。

『唇で壊される。』は2月発売の本でした。
奈良さんの絵から受ける印象とは、ちょっと違った感じの話しだったのが、残念と言うかなんと言うか。
イラストから来るイメージってあるよね~。

あ~、、、だけど、これは結構純愛物かも。

柚槻は、昔の失恋をずっと引き摺って、
本気の恋が出来なくて、恋は駆け引きするものだと思い込み、
本気に好きになった時に、駆け引きばかりに目が行って、気が付いたら……。

失恋をして、本気の恋には駆け引きはしちゃいけないのだと、やっと前の失恋を吹っ切る。
だけど、今の失恋は駆け引きの残骸の勇み足みたいなもので、智周は柚槻を迎えに来てくれた。
智周は今度こそ素直になって……が、そこにまたちょっとした誤解が生じてしまい。

だけど素直になること。今度はそれで誤解を無事に解き事が出来――。

だから、純愛物なのよね。
失恋のトラウマに引き摺られ続けてしまった主人公と、むやみに愛想が好くて謎が多すぎる恋人。
見ている視線が違う二人のでは、当然誤解とか生まれてくるし。
解るんだけど、何となくクドイ感じがしてしまって。
同じような事を繰り返されているような気になってしまうのか。

でもって主人公二人の性格が根本的に暗いのね、重いのね、その背後環境も。
それなのに、明るい感覚での純愛で、何となくバランスの悪さと言うか座りの悪さを感じてしまって。
いや、性格がネガティブでも構わないのだけれど、キャラと設定と展開と、チグハグな感じがある。
それがバランスの悪さになっているのかなぁ。
多分ちょっとしたことで変わると思うのだけど、そのチグハグさが微妙なところでバランスを取ったら、
すごーく化けるんじゃないかと期待したくなったり。

ベタな感じはあるけど、最後の部分は好き。
全部を曝け出してしがみ付いて行く、欲しい物は欲しいと叫ぶ。
最後の1歩でお決まりにスンナリ纏まっちゃっても良いじゃない。
重いとか、ジメッとしている背景とか思いながらも、感覚的にはサラッとしている話に思えたのは、
作者の持ち味なのかなとも思います。

柚槻を捨てた男も……彼は彼で色々有ったんだなぁ、と。
悪い人、にはなりきれていなかった、と言うのが良いのか悪いのかは、よく解らない。

ラスト。2年後の二人、また新たな出発――穏やかな日常の続き。
この部分。
直後、ほとぼりの醒めた頃、2年後。2年後にした意味は卒業の区切りだから?

柚槻が智周の部屋に転がり込んで二人で暮らししてたのを、
智周の卒業を期に二人で新しい部屋に越していく――と言うラストシーン。

柚槻が智周の部屋に転がり込むシーンで終わりにした方が良かったんじゃないのかな。
この話の終わりとしては。


奈良さんの絵は好きなんだけど、今回のこの話に奈良さんの絵は合わなかったんじゃないかなぁ。
もっと爽やか系の絵を描かれる人の方が小説の内容には合っていたと思う。
それとも、橘さんの方が奈良さんの絵に合わせた話にしたら良かったのか。
どっちも残念。




 








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Last updated  2008.03.16 22:16:13
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