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テーマ:映画館で観た映画(8560)
カテゴリ:映画の話
久々に映画の感想なぞ。
映画を見たのは久し振り……な気がする。 とは言ってもそれは自分基準でなんだけど、調べてみたら丁度ひと月ぶりでした(笑) 先月の14日に行ったきりだったんだね~。 いや、タイミングと言うものも有ったけど、 根性出しても行きたい映画が無かったという事で…… それにしてもやっぱ私は邦画の方が好きなんだろうな。 字幕を追わなくてもいいし、人物の見分けも付きやすいし、何より感情移入がしやすい。 と言う訳で見てきた映画です。 映画『さまよう刃』 【あらすじ】 最愛の娘を少年たちによって殺された長峰。 しかも少年法の存在によって、加害者の少年たちは保護される立場となる。 娘を失った怒りと少年法という壁への憤りから、長峰は自ら加害者を裁くことを決意する…。 東野圭吾のベストセラーの映画化作品。 公式 → http://yaiba.goo.ne.jp/index.html キャスト:寺尾聰、竹野内豊、伊東四朗、他 ぶっちゃけ面白かったです。 でも何かリアル過ぎて、始まったとたんに……娘を持つ親は見ないほうがいい映画だ、と思いました。 最初から切な過ぎて溜まりませんでした。 話もね本当に良く出来ていると思う。 奇麗事も、本音も建前もやむにやまれぬ心情も、そして現実も。 物語と言うものは、作者はある目線で、その物語を見るもの読むものを一定方向に誘導するように描かれているものだと思う。 その物語にとって、作者は神なのだから。 それではこの話は、作者は見る者(読者)をどういう方向に導きたかったのだろうか……。 この場合は監督は、と言うべきなのだろうけれど。 原作者と監督の意図した物は同じものだったのだろうか。 結末も正直やりきれないものだった。 けれど、決して後味は悪くは無いのです。 今の社会の中では仕方が無いんだろうな、あまりにも理不尽すぎるけれど仕方が無いんだろうな、と言う塊みたいなものが喉につかえている様な感覚を覚えても。 本当に良く出来ている話だな、と思いつつ映画を見終えて、 エンディングのテロップを見て、『原作:東野圭吾』の名前を見た時、 さも在りなんと納得致しました。 実は、原作が誰だ、なんてことは全く知らなかったというか気が付かなかったのです。 そうか。東野作品なのか。なら、原作読むのも有りだな。 原作ではどういう風に描かれているのか。 多分もっと緻密に語られているのだろうな、話としては原作の方が面白い(読み応えあり)だろうな。 でも多分、映画を見た感情とは全く別ものな感覚を持つのだろうな。 文字だけ。文字から想像を膨らませる世界と、現実的に画像を見せ付ける映画と。 視覚の恐ろしさ。画像の雄弁さ。 どっちが良いと言うのではなく。 多分、画像のインパクトがキツ過ぎて、ミステリーをミステリー楽しむゆとりが無くなってしまったから、小説と映画はそう言う意味では全くの別ものなんだろうと思う。 それは他の実写化されたもの全てに言えるのだろうけれど、リアルな絵はそれだけ印象的なのです。 尤も、映画の良し悪しは絵だけではなく、映画そのものだと思いますが。 どんなよい絵もそれを紡いで行く話の作り(原作がではなく)がお粗末ではいけません。 それこそ宝の持ち腐れ。 『さまよう刃』はそう言う意味でも秀逸でした。 妻を亡くし、中学生の娘と二人きりの父親が、ある日いきなり娘を婦女暴行の果てに殺されてしまいます。 犯人は未成年。しかも同じような事件を何度も繰り返して反省の色は全く無い。 父親は全てを捨てて復讐に走る――その課程と結果。 都合よく話が回っているところもあるし、そう簡単に行くかよと思うところも有るけれど、 そこら辺はこの際無視。 仲間割れからの垂れ込みで父親は犯人を知るのだけど、 最初の凶行は思い詰めた上での衝動で、その後は必然になって行く。 今の世の中雑多な犯罪が日々起こり、ワイドショーで取り上げられ色々な事を言われているけど、 それならこの事件が現実のワイドショーに取り上げられたなら、 人々はどんな反応を示しただろうか、と言う事をふと思った。 映画の中ではワイドショーや他の報道の反応は殆ど描かれてはいない。 意識して省いたのだろうか。それとも余計なものだから必要ないとされたのか。 自分が良く見る報道番組、ワイドショーのキャスター、コメンテーターだったら何と言うのだろうかと想像してみた。 多分ね。犯罪を後押しするような、援護(観客・視聴者を)誘導する様な要素は入れたくなかったんだろうな。 最後の、父親の行動。対する老刑事の行動。決して腑に落ちるものではなかった。 そして、結末の判決。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 突然子どもの亡骸を目の前に突きつけられたなら、一体如何するだろう。 信じられなくて、拒絶して、多分真っ白になって、子どもにしがみ付いて、 頬に頬をこすりつけ、名前を呼び続け―― 親なんてそんなもの。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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