カテゴリ:東北
盆の供え物に、キュウリで馬を、ナスで牛を模して造られる「精霊馬」がある。祖先が現世には馬で早く帰来し、来世には牛でゆっくり戻るようにとの思いが込められたとされる。 近年、従来の素朴な牛馬ではない工夫がされて、ネットで公開されている。キュウリやナスをカットし組み合わせて、車やバイクや飛行機にするなど。祖先の乗り物という意識は保持されつつ、ネット画像を見て、自分の考えや思いを反映したアートをさらに画像にアップするという、お盆を巡る現代の民俗のあり方と言えよう。 ■島村恭則編『現代民俗学入門:身近な風習の秘密を解き明かす』創元社、2024年 から (堀田奈穂執筆部分) 同書によると、山形県遊佐町では、精霊馬の代わりに、家の軒先に自動車などの模型を吊るす風習がある。キュウリなどの野菜ではなく、模型なのだ。故人が好きだった車種にしたり、先祖の人数が多いとバス、さらには飛行機にする家庭もある。野菜でアート化するケースと同様に、故人への思いと供養の気持ちが反映されている。 ところで冒頭の画像のキュウリとナスは、お盆に実家でもらった野菜です。盆が開ければ、秋が来る、はずの東北もまだまだ暑い日が続くよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.08.15 08:00:08
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