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テーマ:離婚・・・その1(30)
カテゴリ:離婚
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Q6.離婚の意思は届出の時点で必要でしょうか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ A6. 一.離婚届を作成した時点では離婚意思はあったが、その後翻意したり、意思能力を失った場合、受理された離婚届は有効でしょうか? 1.離婚の場合、その性格上、意思を最後の瞬間まで確認する要請が大きく、浮動性を考慮する必要性は婚姻よりも大きいといえます。 2.離婚の場合は、たとえ離婚届が作成されても、最後の最後まで、離婚を避ける努力は続けられるべきで、受理の瞬間まで翻意の可能性は残しておく必要性は高いといえます。 3.離婚の場合は、全離婚の1割程度が家庭裁判所を利用し、調停においては、夫婦関係の修復の努力が続けられる事もあります。 4.したがって、いったん離婚届が作成されても、調停の推移によっては翻意の可能性は充分あるといえます。 5.このような実体を考慮すると、離婚の届出は成立要件と見るべきであり、届出の瞬間の意思を要求すべきであると考えられています。 6.その上で、翻意とか意思能力の喪失とか死亡の場合は、婚姻の時と同じように、例外的に処理すべきである、というのが有力な学説です。 7.ちなみに、婚姻の場合は、最高裁は、「届出受理以前に翻意するなど婚姻の意思を失う特段の事情」があれば、婚姻の成立は妨げられる、と判断しています。 (最判昭和44年4月3日民集23-4-709) 二.離婚意思のない無効な離婚届がなされたが、その後これを容認する意思を持った場合は、どのように扱うべきでしょうか。 1.離婚については、遡及的追認は、安易に認めるべきではないと考えられています。 2.なぜなら、追認の遡及効により、財産分与の請求を家庭裁判所に行なう権利を失う事にもなりかねないからです(財産分与請求権は離婚後2年以内に制限されています)。 3.又、離婚の際には、子の監護に関する取り決めが必要ですが、これをしていない過去の時点に離婚の効果を遡及させる事は適当ではないと考えられます。 4.婚姻の場合は、届出のなされている事を知りつつ、事実上夫婦生活を続けることによって追認がなされることがあります。 5.しかしながら、離婚の場合、別居の既成事実を積み重ねる事で無効な離婚届に効力が与えられてしまうのは、何としても避けるべきでしょう。 次回は調停離婚・審判離婚について ・・・つづく ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 人気ブログランキングに参加しています。応援宜しくお願いします。 ポチッ! 人気blogランキングへ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 離婚・相続等の法律問題でお困りの方は↓ 櫻井法務行政書士オフィス ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.11.08 23:17:35
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