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やさしい法律・行政手続入門

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2005.11.17
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カテゴリ:離婚
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Q13.その他婚姻を継続しがたい重大な事由とは何ですか?

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A13.

一.重大な事由

1.民法第770条の1号から4号までの事由がなくても、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき」には訴訟で離婚請求することができます。

2.民法第770条

夫婦の一方は、左(次)の場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一. 配偶者に不貞な行為があったとき。
二. 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三. 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
四. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五. その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき。

3.第5号は立法の経緯から一般的破綻主義を宣言した規定と考えられていて、包括的な離婚原因です。

二.第5号に含まれる離婚原因

1.1号や2号の列挙に含まれないもの。

  ・配偶者の重大な犯罪行為(殺人)
  ・重大な侮辱・虐待

2.いわゆる「破綻」

婚姻の破綻」とは、夫婦が婚姻継続意思を実質的に失っており、婚姻共同生活を回復する事が不可能である事が客観的に判断できる状態のことを言います。

・浪費癖や怠惰
・何らかの病気・性的欠陥
・性格の不一致

3.破綻が客観的に認定されるためには、一定の期間の経過が不可欠なファクターです。

三.有責配偶者からの離婚請求

有責配偶者からの離婚請求が認められるためには

1.「相当の長期間の別居」
2.未成熟子の不存在
3.相手方配偶者が苛酷な状態に置かれる等、著しく社会正義に反する特段の事情の不存在

という要件を課して判例は認めています。

四.「相当の長期間」

1.どの位の期間の別居が「相当の長期間」なのかは、単に相当の長期間に及ぶかどうかだけでなく、他の条件との相関関係で離婚の可否が判断されます。

2. ・最判昭和62年11月24日(判時1256-28)   :30年
   ・最判昭和63年 2月12日(判時1268-33)   :22年
   ・最判昭和63年 4月 7日(判時1293-94)   :16年
   ・最判昭和63年12月 8日(家月41―3―145)  :10年3月
   ・最判平成 2年11月 8日(判時1370-55)   : 8年

  生活費負担・不貞関係解消・財産関係の清算に誠意ある等のため肯定。

3. ・最判平成 5年11月 2日(家月46-9-40): 9年 8月
 
双方有責として肯定

4. ・最判平成 6年 2月 8日(判時1505-59):13年11月

 未成熟子もいるが、送金・養育にも無関心ではなく、離婚に伴う経済的給付にも期待できるため、肯定。

五.結局、自分が浮気をしておいて、相手に離婚を請求する事は、協議離婚ではなくて裁判離婚という事になると、10年近くの別居期間と相当の条件が調わないと認められないと言うことになります。


次回はドメスティック・バイオレンスについて

・・・つづく
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最終更新日  2005.11.17 12:17:24
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