|
テーマ:離婚・・・その1(30)
カテゴリ:離婚
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Q28.重婚的内縁とは何ですか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ A28. 一.事例 A男とB女は法律上の夫婦である。Aの不貞行為等が原因で別居する事になった。しかし、Bは離婚には応じなかった。 やがて、AはC女と同棲するようになった。Cは、Aには、戸籍上の妻がいることは知っていたが、全く形骸化していると思い、やがては正式に入籍してもらえるという気持ちで事実上の夫婦生活を営んできた。 その後、AとCは不仲になり内縁を解消するに至った。Cは財産の分与を求めたのに対し、Aは、重婚関係にある内縁の妻には財産分与を請求する権利はないと主張した。 Cの請求は認められるだろうか。 二.判例 1.AとCのような内縁関係を重婚的内縁といいます。 2.広島高裁松江支決昭和40年11月15日(高民集18-7-527) 裁判要旨 : 一、 相手方に法律上の婚姻関係が存しても、それが事実上離婚状態にあり、且つ、男女が共同生活の本拠を有して相当期間生活を継続し、周囲からも容認されているような状況により、夫婦共同生活の実体があると認められる場合は、右共同生活の解消に際し、民法第768条の類推適用が許される。 二、 前項の場合において、重婚的関係にあることを認識していた者であっても、法律婚が離婚状態に至ったことにつき何等の責任のない者に対しては、同じく民法第768条の類推適用が許される。 三、 いわゆる重婚的内縁の場合には、既に客観的状況において内縁が解消されていることは財産分与請求の要件ではない。 (参考) 民法768条1項 協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求する事ができる。 3.東京高決昭和54年4月24日(家月32-2-81) 重婚的内縁の相手方がまさに法律婚が破綻する原因を作った事案 離婚の規定を準用して財産分与の審判を為すべきだとしました。 三.考え方 (1)事実上の離婚及び (2)内縁の方に夫婦の実質が存在する という要件のもとで、重婚的内縁にも一定の保護を与えようとするのが、現在の裁判例及び通説の立場です。 以前には、重婚的内縁は公序良俗に反して無効である、と考えられてきました。 しかし、現在では、法律婚が事実上の離婚にいたっていれば、重婚的内縁を通常の内縁と同様に保護すべき要請の方が公序良俗の判断に優越する、と考えられています。 次回は重婚の婚姻費用について ・・・つづく ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 人気ブログランキングに参加しています。応援宜しくお願いします。 ポチッ! 人気blogランキングへ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 離婚・相続等の法律問題でお困りの方は↓ 櫻井法務行政書士オフィス ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.12.10 21:47:36
[離婚] カテゴリの最新記事
|