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不登校・ひきこもり・ニートを考える

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巨椋修(おぐらおさむ)

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2006年06月22日
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カテゴリ:総合
6月19日に、『ひみつの試写会』をやったのですよ。

はじめは、友だちの新聞記者さんの企画で、ただの飲み会である予定だったようなのです。

しかし、集まってくる人に初対面の人がたくさんいるということで、でも特に話題になるようなこともない。

で、「あ、そうだ巨椋さんが新作映画『大丈夫』を作ったから、それを上映すれば、話題に事欠かないはず……」

と、“巨椋引っ張り出し計画”が起こり


はい、引っ張り出されました。(笑)


観客は約10人。


場所は、水道橋のインターネットテレビ局の一室。


上映時間は、約43分。


映画の感想を聞いたところ



「もっとエグッた内容の方がよかった」


「感動した」


「映画としてはイマイチだけど、考える発端にはなる」


「いい映画だったと思います」


「不登校・ひきこもりの上澄みだけをとりあげたもの」




と、賛否両論でありました。


これらの感想を聞いた製作者であるわたしの思いとしては



「まずまず、狙いどおり」



というものであります。



「エグッた内容のほうがよかった」



「不登校やひきこもりの上澄みだけをとりあげたもの」



というご意見は、おそらく


「もっと問題提起をし、ひきこもりに苦しむ人に迫り、やがてその苦しみから脱却するような映画だと思っていた」



ということなのだと思うのです。


実のところ、そういう内容も考えていたのですが、そういったものは、ニューズ・ショーなどの15分特集でよくやっているものであったり


あるいは、通常ドキュメント映画がやっている手法でもあります。



【あるひきこもりの若者がいる。


困りきった親は、あらゆる手段を使って“治そう”とする。


子どもは暴れ、親もときとして暴力をふるう


いろいろな紆余曲折があり、努力を重ねる。


やがて、子どもは改心し、働きだし一家に笑顔が戻る】



作品の中に、涙と感動があるというもの。



これがよくあるパターン。


ドキュメント映画の王道。





ただ、ぼくとしては、「そんな映画など、作るつもりはこれっぽっちもないよ」と思っておりました。



そういった映画の方が受けるんです。


ところが、テレビなどに出た後で出演者が後悔をしたり、かえって家庭が上手くいかなくなったり、「テレビなんかにでやがって」と、いじめられるということも少なからずあると聞きます。


はじめはね、やっぱりエグることもしようと思ったんですけど、すぐにそれはやめようと思ったんです。



ぼくが映画を作るときにまず最初の思ったこと。


それは、映画に出ることによって傷つく人を出したくない。


出演者の自殺などを出したくない。

あるいは、映画に出ることで、つらい思いを思い出したりして欲しくないということ。


次に、観に来られた人のフラッシュバック(過去の苦しいことを思い出すこと)を起させたり。過去を思い出して涙を流すなどといったことがないようにしたい。


と、いうものでした。


そして、映画を観終わったときに、何かひとつのヒントや、「苦しいのはわたしだけではないんだ」、「そんな人もいるんだ」


「映画のあの部分は違うと思うけど、あの一言は同感だと思う」


と、思っていただければいいなと思っております。



そして「ひみつ試写会」の後、いろいろなご意見を聞いて思ったのは、



「よし!」


というものでした。


特にオチや感動がない映画ですが、こういう映画があってもいい んじゃないの?




「こういう人」「こんなことを考えている人」がいると知ってもらうだけでも十分じゃないの?




というものです。



次は、ちゃんとした上映会を考えないとね。










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Last updated  2006年06月22日 16時14分00秒
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