若者だけの問題ではない!!
『不登校・ひきこもり・ニート』というのは、すでに若者だけの問題ではありません。不登校が、まだ【登校拒否】と呼ばれて注目されだしたのは、1980年台です。そのときの子どもたちで、いまだに不登校(登校拒否)問題のつまづきから脱しきれず、すでに35歳を越えている人がたくさんいるのです。いえ、すでに40歳を越えている人もいるのです。また、50歳からはじまる『ひきこもり』の人もいるのです。文部科学省が、2001年に発表した不登校児童生徒を追跡調査した結果よると、● 中学校卒業直後に進学した者のうち、卒業・修了した者 58%● 中退した者 38%と、小中学校で不登校児童生徒のうち4割が、高校を中退するのです。さらに● 中学卒業5年後の調査時点えで「就学・就労ともにしていない者」 23%20歳の時点で、23%の不登校児童生徒が、いわゆるニートになるということです。さて、これは文部科学省の【不登校経験者】の20歳までのデータ。本日のテーマは、『不登校・ひきこもり・ニートは若者だけの問題じゃない!』ですから、それよりも年長の人たちのことを調べてみましょう。一般に、不登校経験の3割ほどが「ひきこもり」になるといわれていますが、東京都による「ひきこもりの実態調査」によると、ひきこもりでもっとも多い年代は、30~34歳で、その年代の人が、ひきこもり全体を占めるパーセンテージは 42.9%!!え~、念のためいっておきますと、この調査は2008年に発表されたものなんですけど、住民基本台帳から15歳以上34歳以下の男女3,000人を無作為抽出し、調査員の戸別訪問によりアンケート調査を行ったものです。いいですか?15歳以上34歳以下!それ以上の年齢の人は、調査の対象外なんですよ!ちなみに他の年代のひきこもり者がどれくらいいるかという結果も書いておきましょう。●15~19歳 17.9%●20~24歳 17.9%● 25~29歳 17.9%●30~34歳 42.9%と、最高年代である30~34歳のクラスが一番多い!調べた人数の中で、この年代が一番多かったというのも、パーセンテージが多い理由であり、就職氷河期という問題もからんでいるのでしょうが、それにしても……、と、思わざるをえません。なぜ、調査の年限が、34歳かというと、ひきこもりやニート、フリーターというのは、“若年者の問題”と考えられていて、それらの調査のほとんどが15歳~34歳までとなっているからです。ひきこもり者が、最初にひきこもるようになった年齢はというと、● 25~27歳がもっとも多く 29%● 次いで多いのが13~15歳 18%何年くらいひきこもっている者が多いかという調査では● 「3年~5年」が最も多く 29%● 次いで多いのが「7年以上」21%7年以上……と、長期に渡る場合、当然、調査年限の34歳を越えてしまうことが考えられるわけで、するとその実態は、いまのところ闇の中ということになります。ひきこもりになる年齢で2番目に多いのは、13~15歳とあります。これはいわゆる「不登校」のことです。ひきこもりになる原因は● 職場不適応 25%● 病気 25%● 不登校 18%● 人間関係の不信 18%と、なっています。職場不適応にせよ、不登校(学校不適応ともいえます)にせよ、人間不信にせよ、これらは、人間関係能力や、コミュニケーション能力の問題が大きいことを示しています。これらのことを考えると、人間関係能力を高めるようにすることが、問題解決のポイントであるように思えます。また、当事者がそのままでいると、やがて高年齢化して、ますます社会と縁遠くなってしまいますので、少しずつでいいですから、早め早めに、対応していった方がいいようですね。『不登校・ひきこもり・ニート』の問題は、もうすでに若者だけの問題ではないのです。 『不登校・ひきこもり・ニート』は、生活能力に乏しく、何らかの援助がないと生きていくのが困難です。わたしたちは、その現実を直視なければいけない時期が、もうすでに来ているということであり、ただ、だまって見守っていればいいというわけではなさそうです。