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カテゴリ:周辺事態
宮崎で、高校生が20歳の男に刺殺されるという事件が起こりました。
犯人は、 「普段から“ひきこもり気味”であった」 「警察に身柄確保されたとき、大量の睡眠薬を飲んでいた」 という報道がされています。 服用の目的は、自殺の可能性が高い。 さて、この事件で「ひきこもり関係者」が 「このような事件が起こり、ひきこもり者全員が、凶悪だと誤解を受けるかと思い心配」 という声が聞こえてきそうです。 答えからいうと、「ひきこもり者」の犯罪率は、まったく不明。 なぜなら、ひきこもり者の実数が、まったくもって不明であるからです。 十万人程度という説もあれば、百万人を超えるという説もある。 ひきこもり者は、圧倒的少数で、さらにひきこもっているがゆえ、犯罪を行う確率は、一般人より低いということは言えそうです。 今回の事件の犯人は、「男は普段から家に引きこもり気味で、処方を受けた薬を飲んでいた」 というから、何らかの精神障害であった可能性もある。 精神障害者の犯罪に関しては、ちゃんとした統計数字が出ています。 「平成14年版 犯罪白書のあらまし」によると、 刑法犯検挙人員に占める比率は0.6% と、大変に低いというのが実態です。 しかしそれが、凶悪犯罪となれば、その数字は跳ね上がるというもの事実。 凶悪犯罪というのは、殺人、放火といった犯罪を指しますが、精神障害者もしくはその疑いがある者の放火11.9%、殺人9.1%となっています。 この事実は、全人口中わずか1.2%~1.3%しかいない精神障害者が、日本全体の凶悪犯罪の約10%占めているということでもあります。 さらに、そのほとんどは、裁判にかけられず措置入院という形で病院に送られ、場合によっては数ヶ月、半年くらいで退院するということもあります。 数日前にも、新宿のデパートで女が販売員に対して、傘の先でいきなり目を突き刺すという事件が起こっています。 この場合も、犯人の話しに整合性がないということで、その日のうちに措置入院が決定。病院に送られています。 この場合、被害者には一切の保障がなく、治療費すらも出ないという事態になっています。 精神障害者が犯罪を犯した場合、裁判が行われることが少ないということは、精神障害者に基本的人権がないということでもあります。 また、精神障害者以外が犯罪を行った場合も、心神喪失であると判断された場合、“無罪”になるのですが、そのため弁護士などが、 「そのとき精神に異常をきたしており、責任能力はない」 と主張したり、犯人が前もって精神科に通院して、精神障害を装う場合もある。 こういったことも、精神障害者への誤解を助長しているように思えます。 こういう事態を変えるには、責任能力・刑法について再考することなのでしょうね。 また、精神障害者についてタブー視するのではなく、ちゃんと向き合って理解を深めることが必要だと思います。 これは、『不登校・ひきこもり・ニート』についても同じで、光の部分も影の部分も、偽りなく見据えていくということが、解決への早道だと考えています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年08月25日 09時19分03秒
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