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不登校・ひきこもり・ニートを考える

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巨椋修(おぐらおさむ)

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2008年02月20日
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カテゴリ:周辺事態
「いいかね、みんなが優しさの象徴のように思っている福祉や人権問題、環境問題ってのは、昔から裏社会と密接なつながりがあったんだぜ」


と、オレは友人に言った。

友人は、福祉や平和、人権問題や環境問題に関心が深い良民であったから、キョトンとした顔でオレをみた。


「またまた、巨椋さんはいつもそんなことを言うんだから~」


「冗談なんかじゃないよ。考えてみたまえ、昔もいまも、ホームレスに一番仕事を与えていたのはだれだね?」


「どういうこと?」


「ホームレス、つまり浮浪者に仕事を与えていたのは、俗にいう手配師だ。

早朝、街に出て行ってホームレスを集める。トラックに彼らを積んで現場仕事をあてがう。

ホームレスは日雇い仕事にありつけるわけだ。

ときに手配師と暴力団と関係があることは少なくない。

現場が山奥で、飯場で泊りがけということになると、必ず賭場が開かれる。

彼らは、働いて得た収入のほとんどを賭場で吸い上げられるということになるな」


「ほんとかよ」


「現場仕事が減ったいま、ホームレスの仕事は激減したといっていい。ホームレスの商売のひとつに、落ちている雑誌や捨てられた本を集めて、駅前で売るという行為があるだろ」


「ああ」


「昔から、路上の商売を仕切ってきたのは的屋(テキヤ)・香具師(ヤシ)だ」


「いわゆる露天商だね」


「露天商イコール暴力団じゃないけど、暴力団になってしまっているところも少なくないんだ。

ホームレスが拾ってきた雑誌を100円で売る。

その売上の一部を暴力団が受け取って資金源にするということは実際にあることだ」


「へえ、あれって暴力団ともつながりがあるのか」


「それだけじゃない。ホームレスには住所がないだろ、だから暴力団が住所を用意してやる。

雑居ビルの一室に3段ベッドを用意して、詰め込めるだけホームレスを詰め込んで、NPO団体ととして登録する。

ホームレスに住所ができれば生活保護を請求できる。

その生活保護の中から、家賃や食費と称して小遣いだけ残して、後は全部取り上げるという方法もある」


「なるほどなあ」


「環境問題にもからんでいてね。気の利いた暴力団なら産業廃棄物処理会社を持っていたりする。

まともな業者なら受け付けないような産業廃棄物を引き受けて、不法投棄するという商法もある。


他にも『貧しい人や障害者へ愛の手を』という名目で寄付金を集めている“悪徳人権団体”は山ほどあるぜ」


「ちょっと待ってくれ、キミは『不登校・ひきこもり・ニート』についての映画を撮ったり、本を書いたりしてるじゃないか。

まさか『不登校・ひきこもり・ニート』と、裏社会はつながってはいないだろう?」


「『不登校・ひきこもり・ニート』に関しては比較的少ない。金になりにくいからね。

ただし教育に関しては、政治とイデオロギーが深く関係してくるので、右翼と左翼が両方口出しをしてくる」


「右翼と左翼かね」


「ああ、右翼左翼の政治団体や市民団体が口出ししてくるな。

相談機関を設けていて、苦しんでいる人が相談にいくと、最後にこういわれるんだ。

『不登校・ひきこもり・ニートが多いのは、社会が悪いからです。○○党に投票してください』」


「巨椋さんも言われたことがあるのか?」


「不登校の講演を聴きに行ったら、講演者がそんなことを言っていたことはあるよ。

政治や宗教について話すのは、悪いことじゃないが、苦しんでいる人に対して、助かりたかったら○○党にとか、○○教にというのはフェアじゃないと思うがね。

まあ常識のある人はしないと思うのだけど、どうもね……(苦笑)

正直言って






弱者を救済すると称して、弱者を食い物にするヤツな当たり前にいるってことだな 」







「右翼左翼といい、裏社会といいなんだかイヤな感じがしてきたよ」


「裏社会だけじゃないぜ、オレが20代前半のころ、政治家のパーティー券配達のアルバイトをしてたことがある」


「なんじゃそりぁ」


「国会議員のパー券を、企業や他の国会議員に売りつける商売があるんだよ。

『○○先生を励ます会』だけじゃない、『○○研究会』だの『○○助け合いの会』だのなんでもござれさ、そんな中に、『○○福祉協会』なんてのもあった。会長は名目だけの国会議員なんだよ。


でもな、本当はそんな協会の実体はないんだよ、しかし企業としても、政治家に金を出すよりも、ウソでも『福祉』に金を出す方が出しやすいんだ」


「詐欺じゃないか!」


「企業側も知ってて払っているんだ。それにその『○○福祉協会』は、別に財団法人でも何でもない、ただ『福祉協会』を名乗っているだけの私的グループだから、一度パーティーを開いて、それで解散ということにする。次は、『○△福祉協会』と名前を変えて、またパーティーを開くんだよ」


「企業はそれでもまた払うのか?」


「もちろんだ。知ってて払うんだから、誰も訴えないし問題にしない。こういう風にして『福祉』を名目に金を稼ぐのは、与党も野党もやっていることさ」


「それも裏側の話だねえ」


「もうひとついえばね」


「まだあるのかよ」


「いまカウンセリングブームだろ、『不登校・ひきこもり・ニート』だと、カウンセリングに行ったり、精神科で話を聞いたりするだろ」


「それも裏社会と関係があるのか?」


「昔、精神科やカウンセリングの仕事をやっていたのは宗教家や占い師だ」


「え?」


「統合失調症や重度のうつ病は、キツネ憑きなどと言われて、巫女のようなシャーマンが憑き物落しをやっていた。心の悩みは占い師が聞いていた。

多くの占い師は、露天商の支配下にある。シャーマンや拝み屋、寺や神社も、博徒や的屋とつながりがある場合が少なくない。

お祭りのとき的屋は、寺社と使うし、江戸時代は町方役人は寺社には手が出せなかったので、賭場を神社やお寺でやることも少なくなかったんだ」


「裏社会と宗教ねえ、なんかうさんくさいな。ところで、なんで巨椋は『不登校・ひきこもり・ニート』の映画を作ろうと思ったの? 







ま、まさかお前も裏社会の人間かよ!?」








「あのな~、オレ様は裏表のない人間として有名なんだよ。裏表どころか、生まれてから一度もウソをついたことがない人間だ」


「それがウソやがな」


「何はともあれ、だ。いまホームレス問題、産業廃棄物問題、貧困や障害者の問題ってのは、多くの人が目をそむけたい問題であることは事実なんだよ。


これは『不登校・ひきこもり・ニート』にしてもそうさ。



光が当たらないところだけど、誰かがやらないといけない問題なのさ。


今日いったことだって、多くの人は知っているんだけど、誰もが見て見ぬフリをしたい問題なんだよ。


光があたっていないところだと、いま言ったみたいに裏の世界や闇の世界がうごめくようになってしまう。



少しでも光をあてると、裏社会の非合法な行為は少なくなるんだよ」



「なるほど、おまえは昔から日が当たらない場所に光をあてるのが好きだったな」


「い、いや~、それほどでも~」


「だからスカートめくりが大好きだったんだ」


「いや~ん、バラさないで~




って最後はシモネタかよ!」






ということで、ぼくは裏社会とのお付きあいはお断りです。


でも、今回述べたことは、スカートめくり以外、全部ホントですからねえ。


これも社会の一面であるのも事実だったりします。








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Last updated  2008年02月20日 21時39分04秒
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