歯医者Ｄｒ．大口の耳よりな歯のたより

中日新聞社発行の拙著にも記載してあるが、
日本の健康保険制度について簡単に述べたい。
詳しくは是非、本を参考にしていただきたい。

終戦直後の昭和三十六年のまだまだ日本人が
食べていくのにやっとであった時に
日本国民皆保険制度として開始された。

歯医者の父の話によるとあのころは
戦争が終わってやっと日本という国の形が
未熟ながらも出来あがってきたばかりで
まだまだ政治、経済や社会がうまく機能しているとは
到底いえない時代であったらしい。

ある組織などは父の歯科医師会の活動の見返りに
自宅の物置で時限爆弾を作らせてくれるように
申し入れていたと言う。

今のように平和で豊かではなく
とにかく国民全てが貧しいために
皆が平等でなければ社会が成り立たなかった。

そこであの時代にはこの医療制度が最もふさわしかったのかもしれない。
しかし今は医療の急激な発展と共に
国民の生活観、思想の多様化、IT産業をはじめとする職種の増加など
画一的に医師(歯科医）や国民の考えや行動を捉える事が難しくなってきている。

それにも拘らずこと医療(歯科医療）に関しては
それこそ旧態然とした単一の国民医療保険制度のみにしか
医師（歯科医）や国民の選択肢が許されていないというのもはなはだ疑問に思う。
乗り物に例えれば標準的、定型的なバスにしか皆が乗れない状態といえる。

諸外国を見ればアメリカなどの国政の進歩的な国では
ちょうど用途や趣味に合わせた車が色々用意されているように
国民に幾種類もの医療保険の選択肢を用意している。

ちょうど人には趣向の違いがあるように
健康や病気に対する習慣や価値観の違いが反映される様な環境が
ここ日本にも用意されれば良いのではないか。

年間何万人もの日本人患者が多額の治療費を費やし
高度な医療技術を外国に求めており
その数も年々増加の一途を辿ってきている。

医師にとっても医療に対する信条や技術が
もっと生かされる医療環境が望ましい。

しかし小泉首相が郵政民営化
今躍起になっているように
その壁はなかなか厚いようだ。


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歯科医師　大口弘　１９４７年生まれ。
大学卒業後、米国インプラントの第一人者、ドクターワイスに学ぶ。
帰国後「インプラントと義歯床」の国内特許を取得し、その症例数は５００ケースを越えている。
現在、幼児・学童の歯並びから総入れ歯まで、トータルスペシャリストとして活躍中。



医学博士
名古屋市立大学医学部非常勤講師
金沢医科大学口腔外科非常勤講師
日本解剖学会会員
日本口腔インプラント学会会員
日本顎咬合学会認定医
労働衛生コンサルタント
大口弘歯科クリニック院長
国際審美インプラントセンター社長
先進医療経営研究会代表
よい歯の会講師など



◆◆◆　現在、全国各地にて先進歯科医療を講演中　◆◆◆
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