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カテゴリ:BLコミックス・小説
私は大体いつも、よく知っている作家さんばかり買っています。 新しい作家さんとの出合は、大抵、CDの原作本である場合と、友人の薦めであることが多いのです。 しかーし!、たまには別の作家さんを読んで見ようと思って というか、麻々原さんの挿し絵とタイトルと帯(きれいなピンク)のバランスの良さに フラフラと引かれて買いました。 お話は、私立高校教師で、学校の後継ぎでもある忍が、 不倫関係にある恋人との旅行から帰って来たところから始まります。 うちに帰ったら、カギが代わっていて入れない忍。(笑) 息子の素行に不満を抱いた学長の父が、息子に貸していたアパートの荷物を勝手に外へ出し、自分の学校の教師(忍にとっては同僚)、野宮暁人に貸してしまっていたのでした。 それでも実家に帰りたくない忍は、苦手としていた暁人の好意で 同居する事になります。 暁人は物理の教師で、外見はカッコイイくせに(麻々原さんですもの。『三千世界』のルシファっぽいんですよ) 言動のイチイチが機械オタクっぽいのでした。 おまけに生活習慣に対しても細かいので、何度も振られているらしいです。 学校では本当の自分を出していなかった忍は 同僚に素の自分を出すのに抵抗があったり、 唯一、自分を解放出来ていた自分の部屋に、別の同僚達もやってきたりするようになって、最初は結構疲れてるのでした。 私達読者も、最初の頃の暁人(や、彼の仲間の鳥オタク、健康オタクな同僚達)は 「ちょっとウザイかも~」と感じます。 でもでも、他人とココロを開いて関係したことのなかった忍が 同僚達に対しても、生徒に対しても、次第に自分を出して行き 自然体になっていく様子が(アイスエイジのミッチーみたいで) 読んでいて楽しく思えました。 最初は少々ウザかった暁人の世話焼きやオタク発言も 後半には全然気にならなくなり、反対に、彼の包容力を感じるようになる忍(と私たち・・) 二人が少しずつ理解できるようになる過程といいますか (理解というより慣れる?)心の近づいていく様子がゆっくり書かれていて 「あ、月村さんもこんなカンジだったなぁ」と、ホノボノした気分になりました。 お互いに好意を抱く様にはなっても それだけでは単に同じトコロに住んでいる同居人 (混ざっただけでは『混合物』) それに恋愛感情がからんで来て、初めて 『化学反応』が起こる=『化合物』となる。(で、同棲となる??) と、彼等は鍋を囲みながら話しているんですけど (ホント、理科オタクの話っぽいよねー。『混合物』なんてコトバ、高校に置き去りにしていたよ。笑) 暁人と忍の関係が、いつ『化学反応』を起こすのか ドキドキしながら期待して待ってましたよ。 そして、その期待が裏切られる事なく見事に化合物が・・ なかなかないんですよね。着地の時に 「あっけなさすぎ」な小説や 「そこまで大事件にしなくても」という話が結構あって 丁度いいカンジというのが。 忍が、出て行った暁人を迎えに行こうと思ったきっかけは とっても小さなエピソードの積み重ねなのですけど それが、この作品のやさしいカンジに合っていたと思います。 それにしても学長・・・ 自分の息子の性癖には目くじら立てているクセに 職員室内のゲイ割合に気づいてなかったんですね。 よかったね。彼の目が節穴で・・。 そして、ルシファもどきの暁人が、こっちではちゃんと(?)ゲイで 良かったです(私にとっては取っても重要なポイント) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年03月22日 15時48分17秒
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