『終わらない夢の続き』高岡ミズミ
以前の作品『あなたと恋におちたい』が、とても読後感のよいものだったので買って見ました・・・・が、これは読後感がとっても悪かったです(きっぱり)楽しみにして、今日買った3冊の中でも最後に、しかも寝る前に読んだら「なんでやねん(タコマーク)」という感想と「理不尽だ」という思考がぐるぐるして,眠れなくなってしまいました。なぜかというと■その1 主人公が救われない高校生の瑞希は、突然、祖父の遺産の一部が譲渡されることになって、狙われ始めますボディガードの浩臣が守りに来てくれたのにそのステキな彼は『敵』を愛していて主人公が失恋したまま終わるのですよ。しかも、その敵、和実(生まれてすぐに祖父に引き取られていた双子の兄)は物理的攻撃をし、拉致し、レイプさせようとしたりしてイロイロ恐がらせたくせにあやまりもせず、被害者面して去っていくのでした。そりゃーねー、生まれてすぐ親と引き離されたり厳格な祖父にガチガチに束縛されたり14の時にレイプされたりして、可哀想な境遇なのはわかりますよ。だからと言って、決してハッピーではなかった弟を苛めなくてもいいじゃん。おまけに、瑞希まで、和実を「かわいそう」と、同情アーンド共感してしまって許してしまうんですよね恋ガタキなのに。悪い事した人は「ごめんなさい」くらいしなくちゃダメだろ。ボディガードも「本当は瑞希君を傷つけたくなかったんだろ」とか甘やかしてないで、叱れよ。『名探偵コナン』の犯人だって、同情すべき状況が大抵あるけど、しっかり反省してつかまってるじゃありませんか。和実のことを、ボディガードや、母親や、瑞希が可哀想がるたんびに私はシラケて行きました。(だって、和実ってば、メチャクチャ悪役風に登場するんですよ。「きゃー!この人、嫌い~」ってすぐになる位に。なので後から簡単にそのイメージを変えられないです)主人公、瑞希!人が良すぎるよ。■その2 そして後半は、敵と、(主人公の)好きな人のラブシーン冒頭のカラー挿し絵からして、主人公じゃないんですよ。これってどうなの??・・・・どうやら作者さんは敵(和実)の方に感情移入してらっしゃる様子でして瑞希を主人公と思って感情移入していたワタシにはついて行けませんでした。作家さんと編集さんは、設定を考える段階で、和実はかわいそうなんだ~ と感情移入したり今後、瑞希は幸せになるからと安心しているのかもしれないけれどそれなら最初から、この本は和実を主人公にして書いて欲しかった。もしくはずーっと和美を思っているボディガード・浩臣の視点で書くべきだったでしょう。内容としては、瑞希は脇キャラみたいなんだから。(SEX PISTOLS3の 渡嘉敷ウメも、知らないうちに振られていて可哀想だったけど、シマに苛められたりしてないだけマシだ。ましてやシマが主人公だし。)表紙も瑞希ではなくて和実(双子なので同じ顔だからわからない)かもしれないし・・・はっ!!!ひょっとして、この本の主人公って和実だったんですか?でもね~冒頭の書き方でいうとやっぱり読者は瑞希が主人公だと思うだろうし巻末のあらすじのところも、しっかり瑞希が主語で書かれていたのですよね。間違ってるよ!!!・・・と、いうことなので読後感は主人公が可哀想~という、感情的モンモン@@@@と構成的に理不尽だ~という、理性的モンモン@@@@とで2重苦頼みの綱の続編も、ずーっと先の来年だそうで物理的欲求不満のモンモン@@@も入れると3重苦でございます。まるで、貧乏な民をいじめる悪い代官を成敗しようとしたら、助さん角さんが「あのお方も可哀想だから」と、敵に味方してしまい。印籠を出す機会もなく、代官はそのままで勧善懲悪じゃない『水戸黄門』しかもお風呂シーンまで由美かおるじゃなくて別の人・・・みたいな肩透かし度(意味不明?)これから買われる方は、来年、続編が出てからのがいいかも・・ああ、そんな面白くなかった本よりも、私は、驚愕の『NANA』15巻書き下ろしについて叫びたかったのでした。次回に続きます・・・