高井戸さんお得意の、女王様がみんなに愛されるお話??パート3です。
1巻ではやる気ゼロで、夜遊び(その頃は女性だけ相手してた)ばかりしていた高校の英語教師、朝比奈。美人で怒りっぽくて性格は最悪ですが、どこか世慣れてなくて、カワイイ存在です。
そんな女王様が、教え子の湯浅に性癖を指摘され、
あげくの果てには居候されて、夜な夜な可愛がられていました。
(しかし「好きなわけじゃない」とイチイチ釘をさしていた)
そんな朝比奈先生に、湯浅のゲイ仲間、同じく生徒のメガネ加賀見から、事あるごとに迫られて
なんだかモヤモヤしてきています。
朝比奈と違って、この湯浅、加賀見、そしてサッカー部の長身無口キャラ、永井の3人は
高校生にして既に自分の性癖を自覚し、夜にはゲイバー「バンビーノ」に出没しているという
悟ったというか、ふざけたキャラ達です。(そこが好きなんだけど)
2巻では、先生には攻めキャラだった湯浅を、実は永井が真剣に好きだったことが暴露され
荒れていく彼についカラダで答えてしまった湯浅(リバ可)とか
ゲイバーで襲われそうになった先生を守った為に、ケガをした加賀見の事などが語られ
湯浅と先生を中心にした『4角関係』が、浮きあがってきていたのでした。
(永井に許している湯浅を、先生がどう思っているかを知りたかったかも・・)
湯浅も囮になってケガしたり、好きな人以外ともやっちゃったり、友人の好きな人を襲っちゃったりと、
もーほーんとこの人たち、奔放。
シリアスなこと考えてても、外面はひょうひょうとしていたり
会話もだる~~かったりと、白っぽい画面と合いまった、そんな薄味かげんな軽さが好きではありますが
今回はもう少しくどくても良かったかもしれません。
つまりですね。ネタバレすれば(以後反転)
警戒態勢を敷いている湯浅の目を盗んで、加賀見が先生をとうとうやっちゃったわけですよ。
(先生も、一応魚心あったわけですね・・)
それを見ちゃった湯浅が、もちろんショックを受けるンですが
同時に彼には、思いをよせてくれている永井の問題(湯浅的には大切な友人で放っておけない存在)もあり
軽いなりにも悩むのでした。
湯浅が加賀見を殴ったりもするし(そりゃマトモな神経でしょう)
しかし、そんな湯浅に対し先生が
加賀見は好きだしエッチも良かったけど、湯浅の方が好きだと
珍しく正直に言って、二人はやっと恋人っぽくなったわけでした。
その場を校長に見つかって、先生が退職するというオマケもつきましたが、
一応教師にやる気を出していたことが評価されて、女子高に推薦され
そこでアイドルになるというエピローグつき(笑)
■湯浅の気持ちを知っている永井(実はこの人がいちばん一途っぽくて、結構応援してたんだけど)
も、悟って身を引いたというのが気の毒というか何といいますか
部活のOBで、優しげな柚坂と、ちょっとイイ感じになってきているので
幸せになって欲しいの半分、もう少し湯浅を思って欲しいの半分なワタシです。
■実は結構先生に本気っぽかった加賀見も結構実は傷心でしたが
(やっぱり素直な方がお徳だったねぇ)
バンビの姐さん(元消防士)に慰めてもらったり
元から粉をかけていた、癒し系メガネな先生に優しくしてもらっていましたね。
水無月的には、もっとこんがらがるかと思いましたが、結構あっさりした着地でした。
高井戸さんだからな~~。で、納得しているところもあります。
ストーリー的にはいつも薄味ですが、
高井戸さんが描かれるキャラクターは、肩の力の抜けた、魅力的な人が多いので
話の続きをもっと読みたい気にさせられます。
その前のシリーズ『ブレックファーストクラブ』でも
これでもか、これでもか、と、続編があったみたいなので、期待していますぞ。