うん、確かにそれはとっても大事なこと
このところの飲酒運転による事故急増を受けて、こんなニュースがあった。 うん、確かにそれはとっても大事なことなんだけど、今、私にとってもっと深刻なことは、実家の母の五十肩。前々からあまり良くなくて、お盆前から地元では運動選手が結構通っているある治療院へ通い始めた。 初日、帰ってきた母は、開口一番「まぁ、びっくりするくらい楽になったわ!」 それを聞いて、私も自分のことの様に喜んだ。 聞いていた病状は、こうだった。 夜中、やっと寝付いたかなと思う頃、肩の痛みで目が覚める。揉んでもさすってもその痛みはとれず、結局明け方までうつらうつらしながら過ごす夜は長いと言っていた。それも、今日を限りだと喜んだのだが、なかなか、世の中そんなには甘くない。 楽しみに床に就いたが、やはりいつもの時間に目が覚めた。次の日も、またその次の日も、相変わらずの痛みが続いた。治療は初回5,500円。次からは保険が利きますと言われたが、安くなって3,500円。それを週三日、通い続けた一ヶ月だったが、肩の痛みもさることながら、お財布の痛みが母には応えて、肩の痛みを助長した。 先生が治療開始から一ヶ月と言うこともあり、頑固な痛みが何処から来るのかと、パソコンでもしていらっしゃるのですか?と、尋ねられた。母が、「いいえ。」と答えた後、桐箱に墨書しています、と付け加えたその時、先生は「それだ!!」と言われたのだそうだ。書道をしている人が4、5人、肩の痛みの治療に通っていらっしゃるらしい。硯に墨をするのが、肩に応えるのだと言う。 母は、「私はそんな事はないと思うのよ。」と言ってはくれたが、筋肉の衰えた肩には、何が災いするか予想できないものだ。何気ない動作が、痛みのもとになっていることはよくある。 2000年夏から早6年余り。その数4000個を超えたおいたちの小箱。その一つ一つにもれなく、母の筆耕が施されてお客様のもとへ届く。 母の年齢や、筆耕のばらつきなどを勘案し、一時は、特殊プリンターを導入し、デジタル化を図ろうともしたが、テレビ放送もデジタル化されようとするこの時代に、残すべきものは何か、伝えたいものは何かを考え、踏みとどまった。けれど、母の体のことを考えると限界なのかも知れない。今後は、特殊プリンターでの名入れを標準とし、特に手書きを希望される方にだけ、母の筆耕を頼むようにするしかないかも知れない。 6年なんて、あっという間だったけど、昭和13年生まれの母は、その間に68歳になった。もうじき70歳。肩の一つや二つ、痛いのは当たり前かもしれない。義母にしても然り。元気なことに甘えて、70近かったり、70も過ぎているのに、しっかりと当てにしている私・・・・・。 口では親孝行がしたいなんて言いながら、本当に甘えることしか出来ない。あぁ、もっとしっかりしなきゃ。親孝行 したい時には 親はなし こんなことにならないように・・・