母
大学時代、広島で一人暮らしをしていた私。宮崎の両親に電話をするのは、一ヶ月に一度あるかないか程度でしたが、結婚して、息子が生まれてからは頻繁に話すようになりました。最近よく声を出すようになった息子の声を、ジジとババに聞いてもらうため、私から電話することが多いのですが、たま~に宮崎から電話がかかってきます。つい先日のこと。母から電話がありました。他愛もない会話のあと、母が「あのねェ・・・、奨学金、お母さんが払っとくから。お前も払うと、重複してしまうから、言っておこうと思って・・・。」と言います。息子を産んでから、仕事をしていない私の口座には収入がないため、毎月の支払い分だけを夫の口座から移しているのですが、実は先月、残高不足で奨学金が引き落とされなかったようで、催促の電話が実家にあったそうなのです。単純に、引き落とし日と金額を勘違いしていた私のミスなので、「あ~、大丈夫。もう口座にはちゃんとお金入れてあるから。」と事情を説明します。すると、「そう・・・。お前が今、仕事してないから大変なのかと思って・・・。○○さん(夫)にも言いにくいんじゃないかと思ってねェ・・・。」と母。私が仕事をしていないので、家計が大変なのではないか。私が仕事をしていないので、夫にお金のことを言いにくいのではないか。そう心配していたようです。「大丈夫!!奨学金はちゃんと返していけるから、お母さんが払わないでもいいよ!」そう言うと、「そうね・・・。これからお母さんに余裕ができたら、色々助けられるようにするからね。」だそう。「またぁ~!!これから歳とっていくのに、家に余裕ができるわけないがねェ~!!私たちは大丈夫やっち!余裕ができたら自分で使わんけェ~!」と、少々母に対して失礼なことを笑いながら言ってしまった私ですが、声がつまりそうになるのをこらえるのに必死でした。「ありがとうね。心配しないでも大丈夫だからね。」そういって電話を切りました。電話を切って、一人で泣いてしまいました。当たり前ですが、この人こそ、私の母なんですねェ・・・。お母さんって、本当に有難い人ですねェ・・・。