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テーマ:妊婦さん集まれ~!!(4754)
カテゴリ:教育・子育て
癒着胎盤で帝王切開手術を受けた女性が死亡した
大野病院事件の判決が先日ありました。 これはお産をしようとする人にとって とても重要な意味を持つものです。 というのも、2004年にこの事件が発生し、 その産科医が逮捕される2006年にかけて、 この事件の影響で多くの産科医が現場を離れ、 産科医不足が急速に進行してしまったからです。 大野明子先生著の「いのちを産む」という本と、 インターネットから情報を入手し、いろんなことが分かりましたので紹介します。 ●大野病院事件の概要● 福島県大熊町の県立大野病院で、 2004年に帝王切開手術を受けた女性(当時29歳)が、 大量出血のため死亡した事件です。 この事件により、2006年2月、加藤医師は逮捕され、 21日間勾留され、3月10日起訴、その数日後保釈となりました。 2007年1月から公判が始まり、先日無罪の判決が下りたのです。 ●この事件の背景● この事件の頃は、ちょうど医療ミスによる事件が頻発し、 医療不信が社会問題化していました。 2人の患者を取り違えて手術したり、 誤って主婦に消毒液を点滴して死亡させ、 ミスを隠そうとした事件などが世間を騒がせていました。 このような事件を医療ミスであると患者が立証しようとしても、 証拠のほとんどを医師が持っているため、 医師に公正な情報開示をさせないと 患者は泣き寝入りするしかないという問題がありました。 ●患者(原告)の立場からの主張● この事件により患者は死亡しました。 この判決がどうであれ、患者のご家族にとっては 大変悲しい事件であることに変わりはありません。 そして、原告が、なぜ事故が起きたのか、なぜ防げなかったのか 知りたい気持ちがあるのは当然ですし、 そして折しも医療不信が社会問題化している中、 患者が医療ミスで死んだのではないかと疑うのは、 自然な成り行きだと思います。 そのような事態に直面したとき、 専門的知識もなく、実態を把握できない患者としては、 訴訟という手段に頼るしかないのかもしれません。 ●医師(被告)が事件後に直面した事実● 次に今度は医師の側から、この事件の背景とその後を調べました。 この医師は福島県立医大の産婦人科医局に所属し、 大野病院に派遣され勤務していました。 この病院の産婦人科医は彼一人でした。 医師は24時間オンコール体制で、 年間約200件の分娩をほぼ彼一人でこなしていました。 医師が逮捕されたとき、彼の妻はちょうど妊娠中で予定日も間近でした。 そして彼が獄中の時に出産となったそうです。 つまり彼は初産に立ち会うことができませんでした。 事件後福島県の医療事故調査委員会が調査し、 彼は減給処分を受けました。 逮捕される時、彼は手錠をかけられ、 捜査官に挟まれて警察の車に乗る場面を 福島ではマスコミが連日報道しました。 医師は、勾留中検察官の取り調べの中で、 「あなたは殺人者だ」と言われたそうです。 もしこの医師が無罪であったなら、 この医師に対するこのような対応は正当だったのでしょうか? 以上、患者と医師の両面からこの事件の背景を見てきましたが、 次回はさらにこの事件の 社会的、医学的、法的な検討をしてみたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008年09月05日 00時05分50秒
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