ぼくのねがいごと。
夜、ルンバが短冊に自分で願いごとを書いていた。保育園の七夕の笹に飾るのだ。願いごとは、「サッカーでゴールできますように」。まだ字をちゃんと覚えていないので、わたしの書いた見本を見ながら一生懸命書いている。ふと、パルタが短冊と同じような長方形の薄い板(色鉛筆入れのフタ)を持ってきた。鉛筆でなにやらぐりぐり書きなぐり、ひとしきり書き終えると、ルンバにしたのと同じようにサッカーボールを描いてくれとわたしに言う。あいているスペースに描いてあげると、うれしそうな顔。そうして気がつくと、板がない。あれ?「パルくん、さっきの板、どこにやった?」聞くと、パルタは通園バッグのなかからその板を取り出してきた。な、なぜそんなところに?パルタは聞いていたのだ。短冊を書いているルンバに、「書き終わったら、明日忘れないで持って行けるように、ちゃんと通園バッグに入れておくんだよ」とわたしが話しかけていたのを。パルタにとってあの板は自分の短冊だったから、書き終わったら忘れないように、ちゃんとバッグにしまっていたのだった。「ごめんごめん、明日、パルくんの短冊ももらってくるからね」頭をなでながら謝ると、わかったようなわかっていないような顔をしながら、とりあえず板を色鉛筆の箱にはめたパルタなのだった。(ルンバ5歳9カ月/パルタ2歳8カ月)