カテゴリ:長野県
{長野物語}
朝起きると、白銀の世界が広がっていた。(少年時代)僕は山々に囲まれた狭い空と、白く雄大な山とアルプス、そして白く染まった景色が好きだった。朝、友達のKちゃんと学校へ行く。白い雪をザック、ザックと踏み潰しながら。 僕は何だか嬉しくて小走りになりながら路面を滑った。そして転んだ。おしりがとても痛い。 学校へ行くと大好きな友達がたくさんいた。午前中の授業が終わり大好きな給食の時間。ソフトメンといううどんに良く似た面が出た。味噌汁の中にそれを入れて食べてみるのだが僕はそれが苦手だった。そんな給食を食べ終わっての昼休み。校庭で雪投げ合戦をやった。ルールも勝ち負けも無い。とにかく敵軍の兵士達に僕達は雪を投げつけてやった。中には雪の中に石を入れるやつもいたが、そういう奴はみんなで嫌ってやった。嫌われた奴はそのことに反省してもう石を入れない。そうやって皆が成長していった。 午後のチャイムがなって眠い授業が続く。好きなあの子にと消しゴムを投げる輩が何人かいたけれども、僕はそんな勇気もなかったし、消しゴムをすぐになくしちゃうから手元に消しゴムが無いことの方が多かった。退屈な午後の授業。何のための勉強をしているのか良く分からなかったけれども、今思えばあの頃習った事が一番印象に残っていてそして今の生活を支える知識となっている。 授業中はアニメの絵を描いたり、ファミコンのゲームのことを考えたりとなかなか忙しいものでもあった。50分の授業は今では何時間に思えるほど長いものだったけれど、そのひとつひとつがキラキラと輝いていた。 僕の先生は小学校2年から6年まで僕を育ててくれて今でも尊敬しているけれど、良く授業中にチョークが飛んできたことを憶えている。先生のコントロールは抜群で、絶対隣の女の子に当たらない。でも、先生は遊んでいる女の子も差別無くそのチョークで狙っていた。僕らはそんなチョークが好きだった。痛いけれど先生が愛してくれているのを肌で感じていた。そんな繰り返しの午後の授業も終わり、僕らは帰宅した。そのとき僕らでブームだったのは「焚き火」だった。穴を掘って、枯れ木を集め一生懸命燃やした。もちろんサツマイモをアルミホイルで巻いて置いておくのを忘れない。狭い空いっぱいに僕らの焚き火が燃え上がるのが好きだった。皆で火を見て、今日あったことや自分の夢やファミコンの話を一生懸命した。ちょっと火で暑くなったら、天然シャーベットで顔を冷やした。とても気持ちがいい。 ようやく一日が終わり、家に帰ると大好きなお父さんとお風呂にはいる。大きい背中を見ては尊敬し、早く大人になりたい気持ちを抑えた。大食いではなかったけれどお腹いっぱいにご飯を食べてそして寝床につく。 明日が愉しみでなかなか眠れない。自分が中学生になるのがいつも怖くて、そして小学生ながら「死」を考えた。中学生になると死が近づく気がしてた。そして恐々眠りにつく。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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