[ぼくの記憶は80分しかもたない]
博士の背広の袖には、そうかかれた古びたメモが留められていた-----
記憶力を失った博士にとって、私は常に”新しい”家政婦。
博士は”初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。
やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。
あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。
第1回本屋大賞受賞。
読み終えて暖かい気持ちになれる作品です。
数学が不得手だった私、心底ルートがうらやましく思いました。
こんなにも数学を愛している人に、数学の楽しさを語られていたら、私ももうちょっと
数学に親しんでいたかもしれません。
文中にあふれている、初めて目にする数字の表現に徐々に暖かさを感じられるように
なるのが不思議です。