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カテゴリ:フランス映画
1840年代のパリ、タンプル大通り。パントマイム役者バティストと、美しいガランスは恋に落ちる。ガランスは犯罪詩人や俳優、そして伯爵からも愛されるが、しかし無実の罪に問われ伯爵の力を頼らざるえなくなりバティストの元を去ってしまう。5年後、それぞれに家庭を持ったふたりは、互いを忘れえぬままついに再会を果たす… 戦時下のフランスで4年(だったかな?)の長い時間を費やし、何百メートルにも渡る巨大なセットを建てて作られた、フランス映画の傑作であり金字塔といわれる作品です。 この映画、本当に大好きだ~と改めて実感しました。 観終えた後の胸の高鳴りはなかなか治まりません。 バティストとガランスの深い愛はもちろんのこと、ガランスを愛した男たちやバティストを想う妻など、皆がみんな、真剣に相手と向き合って、恋したり嫉妬したり求めたりしています。 3時間強をつかって描かれる人間模様は秀逸で、パリの街並みのなか、登場人物同士の繋がりを詩的な会話で丁寧に綴っていく古典の名作。 純真なパントマイム役者バティスト(ジャン=ルイ・バロー)と、上手に世をわたっていく術を孤独のうちに身に付けた踊り子ガランス(アルレッティ)。 掛け離れたように映る二人ですが、出逢ってすぐ互いに惹かれ合います。 そして純粋であるがゆえにバティストは、それまでの自分を見失うほど彼女にのめりこんでいくのです... 思いが重なって、ホテルの一室で二人きり。 「恋なんて簡単よ」 幾つもの恋をしてきた世慣れたガランスはバティストにそう言います。 しかし、こんなにも深く人を愛したことのない彼は愛し方も知らず、その気持の大きさがきっと怖くて、彼女を抱くことはできません。 そしてガランスは別の男のものとなってしまうのです。 嫉妬に苛まれながらも無言劇の名演を認められるバティストでしたが、いつまでも彼女の面影を忘れることはありませんでした――。 インターミッションを挟んだ後半。 富豪の伯爵とともにガランスがパリを去って5年の月日が流れます。 しかし、幾人もの男たちに愛される恋多き女が、孤独な人生のなかで唯一心から愛したのはバティストだけでした。 その切ないほど純粋な気持をもってしても叶わない恋…切ないですね ふたりを隔ててしまった5年という歳月はもう戻らず、、 再会を果たしてやっと一夜の甘い時を重ねる二人でしたが、互いに家庭を持った今となっては自由に生きることはできません。 「やっと結ばれたふたりが迎えた別れの朝…」 物語は大恋愛劇という感じでシンプルなのですが、やっぱりこれだけ愛されているのは、バティストのパントマイムで魅せる劇中劇の素晴らしさもあるのではないでしょうか。 全身真っ白な物悲しい表情の道化師。 実在の人物であるバティストを演じたジャン=ルイ・バローが、本当に素晴らしい舞台を見せてくれます。 「劇中劇の舞台 中央ガランス、右バティスト」 細面の繊細なバティストという人物があまりに魅力的で、だからこそこの作品自体も大好きなんだな~と今回は感じました。 でもただのミーハーじゃなくて、舞台劇をやってこられたバローだからこその芸で、そこにも惚れ惚れしてしまうのです。 ちなみにプロフィールの写真は、バティストです。勝手に使わせていただいているのですが、ドキッとする表情がいつでも自分の琴線に触れて良い刺激になるかな・・と思いながら。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 監督 マルセル・カルネ 製作 フレッド・オラン 脚本 ジャック プレベール 撮影 ロジェ・ユベール 、マルク・フォサール 音楽 ジョセフ・コスマ 、モーリス・ティリエ 出演 ジャン=ルイ・バロー 、アルレッティ 、 マリア・カザレス ピエール・ルノワール 、 マルセル・エラン 、 ピエール・プラッスール お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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