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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:中国映画
30年にわたる激動の中国史の中で健気に「活きる」家族の物語。 中国4千年の歴史と言われるほど、古い歴史のある国 中国。 その長さに比べるとうんと短い40年代からの30年。 でもその間に経験した社会の変動だけをとってみても、あまりに沢山なことがあって圧倒されてしまいました。 共産主義、社会主義、文化大革命。 中国の歩んできた道を改めて目の当たりにすると、怖く感じました。 主人公一家のように、時代に翻弄された家族が数え切れないほど、つらい時代を生き抜いたのでしょうね… 感慨深い作品でした。 国の情勢が変わるたび、未来は今よりきっと良くなるはずだ―そう信じて必死に時代に合わせて生きる人々。 貧しい生活だけど、その中に小さな喜びを見つけて、幸せを感じて暮らしています。 戦争に巻き込まれ、息子を事故で失い、安泰だと思っていた知人らの身辺さえ激動する30年。。 とにかくその時その時を生き抜いていくしかない家族の姿には、健気さと力強さでいっぱいです。 ただ屈託のない笑顔を見せる子どもたちさえ、時代の犠牲になっていくシーンなどは、とても悲しくて胸が痛い... 「幼子を抱えながらも賭け事を止めず 妻を泣かせる夫」 冒頭、まだ若い夫妻は、夫フークイの賭博癖のために借金の形に屋敷を取られ、身重の妻は子どもと家出、一度離れ離れになります。 その時、家財もなにも無いどん底から家族でやり直していけたのは、フークイの始めた中国の伝統ある影絵のおかげ。 地方巡業を重ね、その後も何度か影絵は一家を守り、お守りのように大切に扱われていくのです。 色とりどりで繊細な人形による劇が、いっそう作品に情緒を与えているようでした。 「ラスト 孫と共に家族の墓前で...」 大切なものを守りながら必死に活きた30年。 ダメ父さんだったフークイもいいおじいちゃんになり、堅実で優しかった母は相変わらず、辛い過去も思い出ヘと変わります。 幾多の悲しみを乗り越えて、まだ夫婦連れ添っている姿がいい... 「あの時 こうしていれば…」なんて相手や自分を責めたりしても、許しあってやっと手に入れた穏やかな暮らしを微笑ましい心で感じているラストシーン、感動してしまいました。 孫の成長に目を細めながら... これだけ内容豊富な大河ドラマを無理なく、たった130分にまとめたチャン・イーモウ監督。 だらだらしないし、急かされもしない。素晴らしい。 代表作には、新しい方から 「単騎、千里を走る。」「LOVERS」「HERO」「あの子を探して」「初恋のきた道」「菊豆」「紅いコーリャン」 などがあります。 有名な作品が多いですね。 それでもこの「活きる」は「初恋のきた道」など日本でのヒットを受けてからやっと、劇場で公開されたそうです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 監督 チャン・イーモウ 製作 チウ・フーション 製作総指揮 コウ・フォン クリストフ・ツェン 原作 ユイ・ホア 脚本 ユイ・ホア ルー・ウェイ 撮影 リュイ・ユエ 音楽 チャオ・チーピン 出演 グォ・ヨウ コン・リー ニウ・ベン グオ・タオ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.08.29 23:07:52
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