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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:フランス映画
19世紀のパリ。親方のもとで地道な生活を送ろうとしている大工のマンダと、魅惑的な娼婦マリーは、偶然出会い恋に落ちる。しかし彼女の情夫は黙っていず、やくざの親分も横槍を入れ始めるのだった...。 実在した伝説の妖婦・マリーをモチーフに、実際の事件を基に描かれた名作ドラマ。 愛用の映画本でおすすめされていた作品でした。 一見オーソドックスな恋愛ものですが、フィルム・ノワールの雰囲気も徐々に出始めて、特に後半の目の離せない展開が好きでした。 お互いに一目惚れして、情夫も婚約者も忘れ恋愛に突っ走るのは、フランス映画らしいという印象です。 マリーの情夫はやくざで、そのボス ルカはふたりを対決させるのですが... 命がけの決闘で情夫を誤って殺害してしまい、ここからの逃避行、裏切り、罠―へと続く展開からが面白い。 マリーが捨て身で護送中のマンダを救うシーンなんかは、ちょっと緩めに感じましたが、半世紀前のクラシック作品だしあえて流してしまおう。 娼婦のマリーが初めて手に入れた、愛する人との日々の幸せそうな笑顔が印象に残ります。 髪型のせいで老けて見える彼女ですが、かぶとのようなヘアスタイル(原題は黄金のかぶとという意味らしいです)をほどけば魅力的。 しかし、その彼女の幸福な時間はあまりにも短いのです。 デッドエンドの悲しい結末で終わるラストシーンはショック。 復讐を遂げたマンダの最期を見届ける気丈なマリー。その先にあるものはなんと…斬首台という… ジャック・ベッケル監督は「モンパルナスの灯」「穴」が好きです。 54歳の若さで亡くなられたベッケル氏のどちらも晩年の作品。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 監督 ジャック・ベッケル Jacques Becker 脚本 ジャック・ベッケル 、ジャック・コンパネーズ Jacques Companeez 撮影 ロベール・ルフェーヴル Robert Le Fehvre 音楽 ジョルジュ・ヴァン・パリス Georges Van Parys 出演 シモーヌ・シニョレ 、セルジュ・レジアニ 、クロード・ドーファン レイモン・ビュシェール 、ウィリアム・サバティエ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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