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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:イギリス映画
第二次大戦後のウィーン。親友のハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)の招きでこの街を訪れた作家のマーティン(ジョセフ・コットン)は、到着早々、ハリーが死亡したことを知らされる。警察も知らない、ハリーの死に立ち会っていたと言う三番目の男の正体を追って、彼は独自の調査を開始するのだった。 このタイトル、サスペンス映画の名作として有名ですね。人気があり、マイベストに挙げる方も多くいらっしゃるようです。 初鑑賞でしたがとても楽しめました。 友人ハリーを頼ってウィーンを訪れた作家のマーティンは、彼が事故で死んだばかりだと聞かされ驚いてしまいます。 葬式でキャロウェー少佐(トレヴァー・ハワード)と知り合い、生前密かに闇取引をしていたと聞かされたマーティンは、信じられずに少佐と対立しますが、目撃者の数に疑問を抱き事故の謎を調べ始めるのです… 残されたハリーの恋人アンナと知り合ったことで、彼女への興味も手伝い、ぐんぐんと事件の真相に迫っていく展開がスリリングでした。 「愁いに満ちた美しいアンナに惹かれるマーティン」 第二次大戦後のオーストリアは、アメリカ・イギリス・フランス・ソ連の占領下に置かれていたそうで、その頃の雰囲気もよく出ています。 恋人アンナの旅券が偽造である件や、闇取引が後を絶たない時代の暗部も、作品を盛り上げていました。 テーマ音楽は耳に馴染むあの曲! エビスビールのテーマ曲でありました。 「第三の男」のテーマだったとは~ チターと呼ばれる楽器の音だそうですが、軽快さがなんとも映画のテンポに良く似合っていて素晴らしいです。 耳に残るし、なにより、ラストのあの切ない情緒いっぱいのシーンに余韻を残して響くのがいい どのシーンをとってみても絵になる映像の魅力と、サプライズの用意された先の読めないストーリーは、名作と呼ばれるのも素直に頷けてしまいます。 終盤の逃走劇も秀逸です。 反目しあう少佐とマーティンの、少しずつ変化していく関係にも注目。 そして、ハリーを忘れられないアンナに惹かれてしまった、マーティンの恋の行方も目が離せません。 ハラハラと落ち葉舞う並木道で、遠くから歩み来るアンナをじっと捉えた長回しはかなりグー すれ違いの余韻がたまらないですね... 「アンナ(左)と捜査の手を緩めない少佐(右)」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 監督 キャロル・リード Carol Reed 製作 キャロル・リード 、デヴィッド・O・セルズニック アレクサンダー・コルダ 原作・脚本 グレアム・グリーン Graham Greene 撮影 ロバート・クラスカー 音楽 アントン・カラス 出演 ジョセフ・コットン Joseph Cotten オーソン・ウェルズ Orson Welles アリダ・ヴァリ 、トレヴァー・ハワード バーナード・リー 、ジェフリー・キーン エルンスト・ドイッチュ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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