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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:アメリカ映画
ジョン・ボールの原作『夜の熱気の中で』を映画化した、刑事映画の傑作。偏見と差別の根強い南部の田舎町を舞台に、殺人事件を追う都会の黒人刑事と、地元の白人警察署長のにわかコンビを描く―――。 期待を裏切らない良作でした。 アメリカ南部のうだるような雰囲気に、田舎町特有の閉塞感。よそ者に対する町の人間の冷たさや、そして何より人物に惚れぼれしました。 偶然居合せた町で殺人事件の容疑者として連行された、殺人課の刑事である黒人青年バージルと、凶悪事件の捜査に疎い地元の中年の白人警部署長ビル。 ふたりは人種差別のまだ残るその土地で、反目しあいながらもバージルの近代的な捜査進行のおかげで犯人に迫ってゆくのです。 見当違いな人物を逮捕するたび、バージルから「そいつは無罪」と言われ続ける、ビルの情けないような寂しい顔がいい。 皆が恐れるワンマン署長が、黒人であるバージルに一目置くようになるまでを、見事なタッチで描きます。 ともすれば、黒人嫌いの若者たちに滅多打ちにされ殺されてもおかしくない場所で、誠実な青年バージルの真っ直ぐな目が印象に残る。 あんなにぶつかり合っていた二人が、曇りのない笑顔を交わす爽快感なラストに後味良好。 当然と言うべきか、この年のアカデミー賞授賞作品となっています。 レイ・チャールズの歌をはじめ、全体を包んでいる音楽が素晴らしかったです。 ● ● ● ● 監督 ノーマン・ジュイソン Norman Jewison 製作 ウォルター・ミリッシュ Walter Mirisch 原作 ジョン・ボール John Ball 脚本 スターリング・シリファント Stirling Silliphant 音楽 クインシー・ジョーンズ Quincy Jones 出演 ロッド・スタイガー Rod Steiger シドニー・ポワチエ Sidney Poitier ウォーレン・オーツ 、リー・グラント スコット・ウィルソン 、ジェームズ・パターソン お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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