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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:アメリカ映画
世界的ベストセラー、アン・ホルムの同名小説を映画化。 幼い時に家族と引き離され、強制収容所で育った12歳の少年が、ある日ついに脱走し、たった一人でブルガリアから祖国デンマークへ向けて旅立つ。初めて経験する様々な出来事を感動的に綴る。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ある日ある男から、脱走方法を教えられ、デンマークへ向うよう支持されるデビッド。 彼は幼くして強制収容所に連れてこられ、理不尽な暴力と労働の世界しか知らずに育った12歳。 命かながら収容所をあとにして、持たされた謎の封筒と共に、デンマークまでの旅が始まります。 お金の使い方も、それを手に入れる術も、示された目的地に隠された秘密も、何一つ知らないままのデビッドの旅は、時に危険で驚きと発見に満ち、希望と失望の繰り返し。 自分の身が安全な場所を見分けることさえ難しい外の世界は、12歳で初めて自由を得た彼には手に余ることばかりです。 素性を隠して、とにかく誰も信じずにいること。 見つかれば命の保証はありません。 怯えながらも、子ども特有の好奇心でさまざまなことを経験しながら、着実に北へ向って進むロードムービー。 明かされる感動の真実へ辿り着くまで、どきどきハラハラ、辛く切なく、最後まで目が離せませんでした。 開かれた世界や人々の日常が、無垢な目を持つデビッドにはどう映るのかも見所。 収容所で経験した恐怖の記憶は、いつでも彼を何かに怯えさせることになりますが、突如快活に明るく描かれるシーンも多くあります。 明暗の繰り返しが上手く好感がもて、暗さから救ってくれる展開がいいです。 眠ると必ず夢に見るのは収容所での出来事。 容赦なく囚人を殺す看守たちの中で、自分を命がけで守ってくれた人もいました。 いつも傍で助言してくれたヨハネスのことを、デビッドは忘れることができません。 ヨハネスを演じているのはジム・カヴィーゼルでした。 「パッション」の迫真の演技が記憶に新しいですが、こちらでも好演しています。 収容所での回想シーンにしか登場しないのにかなりの存在感。 その目、その行動。観る人の心になにかしら残っていくのではないかなと思います。 やっとやっと、信頼できる大人に会えた時、彼に知らされなかったこの旅の真実が明かされます―― 素敵なお話ですね~ 美しいヨーロッパの景色のなかで繰り広げられるロードムービーは、派手なところはなく、じんわりした感動に包まれてます。 脚本も書いたポール・フェイグ監督は、これが処女作だそうです。 そうとは思えないほどの完成度、小作品ながらセンスのよさを感じました。 言語はほとんど英語でしたが、舞台といい雰囲気といい、ヨーロッパ映画ようでした。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 監督・脚本 ポール・フェイグ Paul Feig 製作 ダヴィナ・ベリング Davina Belling ローレン・レヴィン Lauren Levine クライヴ・パーソンズ Clive Parsons 原作 アン・ホルム Anne Holm 撮影 ロマン・オーシン Roman Osin 音楽 スチュワート・コープランド Stewart Copeland 出演 ベン・ティバー 、ジム・カヴィーゼル ジョーン・プロウライト 、フリスト・ショポフ シルヴィア・ドゥ・サンティス 、マリア・ボネヴィー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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