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カテゴリ:映画
婚約者のいる人類学者ミシェル(ボグスワフ・リンダ)は、ある日イタリアからワルシャワにやってきた学生(イオーナ・ペトリ)と出逢い、情熱的に愛し合うようになるが…。シャーマニズムと狂気に満ちた異色のラブストーリー。
本国ポーランドでは二度の公演で40万人を動員したのだとか。日本ではとても考えられない。 シャーマンとは霊媒や予言をする、日本でいう巫女のこと。その能力により成立している宗教や現象や思想がシャーマニズムなのだという。 シャーマンのミイラを発掘した人類学者ミシェルが、彼らの思想の謎にとり憑かれ、身を滅ぼしていく様を官能的にサスペンスチックに描いた本編は、倫理が崩壊した先に、極限の愛といえるものがある。 研究にのめり込むあまり、婚約者との未来を台無しにしてしまう男の姿はあまりに退廃的。無条件で彼を求める、とても尋常とは思えない娘との暴力的なセックスを通して、自身もトランス状態の果てにシャーマンの辿りついた境地に上り詰めたいと願う狂気。 娘が一体何者で、まともなのかそうでないのかすらもわからない。粗雑で、愚かで、無感動な眼をした彼女は、はたして愚者か聖者か。白痴にだって見えてくる。 ネットで調べて見つけたのは、ルーマニアの宗教学者エリアーデの説だった。”エクスタシーのテクニックがシャーマニズムの第一の定義”だというもの。まさにその影響を受けているだろう物語。 取り憑かれたようなふたりの、神経症的に壊れたインモラルな関係は度肝を抜かれるばかり。散りばめられた血肉の生々しさと混沌。 だんだんイカレていくミシェルは、発掘したミイラと同じく、シャーマンによって殺され、脳髄を食べられて死んでいく....ラストシ-ンの衝撃は忘れられない。大学教授でありながらミイラとりがミイラになってしまう。 この度、10年ぶりに再見してみたら、記憶以上によかった。得難い究極の情愛映画であることはまちがいない。放射線物質の意味するところなど、まだわからないところの残る難解な絶倫映画だった。 監督 アンジェイ・ズラウスキー 製作 ジャッキー・オークニン 脚本 マニュエラ・グレツコウスカ 音楽 アンジェイ・コルジンスキ 出演 イオーナ・ペトリ 、ボグスワフ・リンダ パヴェウ・デロンク 、アリシア・ヤキエヴィチ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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