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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:韓国映画
録音技師の青年と離婚歴のある年上の女性との幸せな愛の日々と、やがて互いの愛の捉え方の違いから避けられないすれ違いへと向かうさまを描いた切ないラブ・ストーリー。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 冬が終わり、暖かな春がきたような恋の始まり。 眩しいくらいに時を過ごして、いつしか季節が終わる物悲しさを知る―― 純真な青年サンウが一心に想いを寄せた恋の結末は、タイトルどおり悲しい幕切れ。 男女の出会いと別れを、等身大に季節の色濃く描いた、優しくて穏やかなラブストーリーでした。 初めて、自分でも信じられないくらい相手を好きになる時。 それは一生に一度だけなのかもしれません。 傷つくことも知らず、愛が変わることも知らず、永遠を信じて、想いの大きさに驚くような、そんな恋。 彼は仕事で知り合った年上のウンスと恋に落ちて、最高に幸せな時間を過ごし始めます。 愛に終わりがあることを知っているウンスの心の闇が、次第にふたりを遠ざけていくことも、ずっと無邪気ではいられないことも知らずに、いつまでもこの愛がつづいていくと信じていました。 サンウのように、ほとんどの人にとって一番最初にした強烈な恋愛は、こんなに盲目なものだったのではないでしょうか。 懐かしさと、痛々しさと、切なさと...眠っていた自分の過去の記憶が目を覚ましてくるようで、とても身近に感じられた恋愛模様でした。 録音技師の主人公。映像と音のこだわりを感じます。 離婚歴のある年上のウンスにとって、彼はいったいなんだったのでしょう。 本気で好きになることや結婚に対して、臆病になっていたとしても、彼女のしたことはつれな過ぎて酷でした。 そうしなければ別れられないような恋もあるけど、理由さえ話さない一方的な別れというのが悲しい。 恋の喪失感を知っているなら、もっと相手に優しくなれてもいいのに。 年上だけど身勝手で、ここだけはちょっとう~んと唸ってしまいました。 ふたりのどちらにも重点を置いて始まった恋物語は、次第にサンウ一人のものになってしまうのは切ないです。 仲睦まじかった頃のふたり 再会を経て、またひとつ成長するラストシーンが良かった。 無我夢中で想っていた頃の彼が、大きく成長して魅力的になっているのがいいです。 実際もきっとこんな感じなんじゃないかな。 喪失感を知った人は変わるし、変わったサンウの方が素敵に見えます。 彼を手放してはいけなかったのかもしれないと、再会したウンスは少しでも感じたのでしょうか。。 後半加速するように彼女の気持がわからなくなっていくのが少し残念でした。 家族の描き方も巧いです。 今回は、サンウが同居する痴呆症の祖母が、作品に深みを与えてくれてました。 昔浮気して家を出て行った夫のことが未だに忘れられない祖母と、彼女の面倒をみる彼の関係にも注目です。 ウンスを演じたのはイ・ヨンエ。 最近ではドラマ「宮廷女官 チャングムの誓い」、映画「親切なクムジャさん」で有名ですね。 私は「J・S・A」の彼女しか知らなくて、キリッとした深津絵里似の女優さん~と思ってきたのですが、今回はナチュラルで感じが違っていました。 本作から5年経ち、最近のお顔を見るとさらに印象が変わって見えますが相変わらずおキレイですね。 サンウを演じたユ・ジテはかなり長身で顔も長身顔。 優しさが滲み出たような演技は印象的です。 監督はホ・ジノ。 大好きだった処女作「八月のクリスマス」、本作「春の日は過ぎゆく」そして昨年公開になった「四月の雪」のまだ三作品しか監督していません。 どれも季節を感じる作品で、雰囲気が好みです。 静かで地味だけど、ノスタルジーを感じさせるような、自然と一体になったような作品群。 次回作を心待ちにしている監督さんのひとりです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 監督 ホ・ジノ プロデューサー チャ・スンジェ 、キム・ソナ 宮島秀司 、ピーター・チャン 脚本 リュ・ジャンハ 、リ・スクヨン シン・ジュンホ 、ホ・ジノ 音楽 チョ・ソンウ 出演 ユ・ジテ 、イ・ヨンエ 、ペク・ソンヒ パク・イナン 、シン・シネ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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