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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:アメリカ映画
陪審員の取り込みや裏工作などの駆け引きを展開する原告・被告側双方と、ある目的を秘めて陪審員団に潜り込むことに成功した一人の男。ひとつの民事訴訟を巡って繰り広げられる三すくみの法廷外バトルをスピーディかつスリリングに描く。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ これほど完成度の高い充実したサスペンスは、なかなか出会えないかも。見事な法廷ものでした。 魅力的なストーリーに脚本、存在感ある役者さんたち。 それに後味まで良く、とても楽しむことができました。 陪審コンサルタントのメンバーのアジト 超ハイテクな機器と面々 ニューオーリンズの証券会社で銃乱射事件が発生。16人が死傷した事件で夫を失った女性が、地元のベテラン弁護士ローア(ダスティン・ホフマン)を雇い、犯人の使用した銃の製造メーカー相手に民事訴訟を起こす。 被告側の銃製造メーカーは、伝説の陪審コンサルタント・フィッチ(ジーン・ハックマン)を雇い入れ、彼はあらゆる手段を駆使し陪審員候補者の選別に取り掛かかるが……。 やがて決定した陪審員団の中には、謎に包まれた男ニック(ジョン・キューザック)も含まれていたのだった。 銃製造メーカーが一度でも裁判に負ければ、相次いで訴訟が起こり多大なダメージは免れません。 それを恐れ、陪審コンサルタントのフィッチらに多額の資金をつぎ込んでいます。 決して負けられない裁判で、原告側に立つのは、正義感溢れる老弁護氏ローア。 一度でも勝利が得られれば銃社会を変えられるかもしれない…正義のために闘うローアも必死です。 ふたりの対峙が見ものなら、陪審員に選ばれた謎の男ニックの正体も見もの。 ‘評決を売ります’ ニックは恋人マーリー(レイチェル・ワイズ)と共に、陪審員たちを中で操り、フィッチ側・ローア側を大金でゆすりにかかるのです。 陪審員制度をネタにした作品は多く作られていますが、その危うさに、いつもながら怖さを感じます。 一般人12名。 彼らをゆすり裁判の結果を左右することも、日常茶飯事なのではないでしょうか。 どの側面からも完全見事に作られた、結末の読めない2時間のドラマ。 評決を買ってしまうのか? 裁判の結果は? ニックとマーリーの正体は? 最後まで気の抜けないサスペンスは、絶妙な後味まで残して締めくくられます。 恋人のニック(キューザック)&マーリー(ワイズ) ふたりの目論みは? 結果が巧く向くよう、陪審員をハイテク機器で選び出す陪審コンサルタントという仕事は、本当に存在するのだそうです。 抜け目なくシビアに候補者の生活にまで目をつけるやり方は、怖すぎます。 秘密なんて持てない時代、国、恐ろしい。 その裏をかいて、謎の陪審員ニックが11人を巧みに操作していく姿も、かなりサスペンスフルでした。 陪審員たちの様子に変化が現れる冒頭の驚きは、観る側にも同様の動揺を与えます。 面白くなってくる~その予感でいっぱいになれるシーンでした。 鳥肌もののツーショット 初共演だそう とても70前後には見えません 本作で初共演を果たした名優ジーン・ハクマンとダスティン・ホフマンの熱演にも注目です。 なんといっても、このトイレでのワンシーンは見応え十分。 70歳に手が届いた(そろそろ届く)ふたりが、熱い火花を散らすシーン。 メイキングで言っていた‘共通点を持たせる’ということの意味がよくわかります。 裁判所の結果を争う敵同士ではあっても、成功者と苦労人の違いはあっても、壮年の男同士、負けられない思いは同じ。 決して醜くないのがいい。 とにかく誠実な人が似合うホフマンに見惚れつつ…どうなっていくのか先の見えない展開を存分に味わえた法廷サスペンスに大満足でした! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 監督 ゲイリー・フレダー 製作 ゲイリー・フレダー 、クリストファー・マンキウィッツ アーノン・ミルチャン 製作総指揮 ジェフリー・ダウナー 原作 ジョン・グリシャム 『陪審評決』 脚本 ブライアン・コッペルマン 、デヴィッド・レヴィーン マシュー・チャップマン 、リック・クリーヴランド 音楽 クリストファー・ヤング 出演 ジョン・キューザック 、ジーン・ハックマン ダスティン・ホフマン 、レイチェル・ワイズ ブルース・デイヴィソン 、ブルース・マッギル ジェレミー・ピヴェン 、ニック・サーシー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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