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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:アメリカ映画
アカデミー9部門受賞のハリウッド映画史上不滅の最高傑作。 南北戦争前後のアトランタを舞台に、炎のような女、スカーレット・オハラの波乱万丈な半生を、大スケールで描いた超大作。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 映画を観始めて20年。 ハリウッドだけでなく、世界じゅうの映画のトップに君臨してきたというイメージで捉えてきたこの名作を、苦節20年にしてようやく手に取ることができました。 とはいっても、苦しんでいたわけではありません… 4時間にも及ぼうかというこの大作を、とても観たい日が来るまで、気持ちと機会のタイミングを待っていただけなのですが、正直これほど時間が掛かるとは思いもしませんでした。 4時間向き合って、一番の感想は、王座に居続けていることに納得。 そして映画に懸ける情熱をビシビシ感じる、輝かしい時代の雰囲気にちょっと感動した~というものでありました。 凝縮されたドラマに描かれる、めくるめく愛の航路―― スカーレット・オハラの波乱に満ちた半生は、期待を裏切りません。 きわめて王道をゆく物語。 傲慢稚気で自意識過剰な、とうてい身近には感じられない主人公に、こちらまでが翻弄され我ままに付き合わされていく4時間でした。 突っ走る姿には言葉を失いますが、とことん率直な性格はさっぱりしていて憎めません。 故郷タラへの強い想いと、戦後再建するまでの頑張りは、全てのわがままを帳消しにしたくなるほど魅力的でもありました。 常に男たちに囲まれ、もてはやされてきたスカーレットですが、ただひとり、心から愛したアシュレイ(レスリー・ハワード)とは想いが実らないまま、彼は従姉妹メラニー(オリヴィア・ハヴィランド)と結婚してしまいます。 既婚者となったアシュレイを、ずっと愛し続けるスカーレット。 やがて自らも結婚し家庭を持つ身になりますが、いつまでも彼を忘れられず愛し続けるのです。 そしてアシュレイも、スカーレットの気丈な美しさを拒みきれず、いつまでもはっきりした態度をとることができません。(…情けない) スカーレットとレット 幾度も登場するこの角度 構図の黄金比みたい 彼女の秘めた思いを見破り、それ以上の愛を注ぐようになるレット・バトラー(クラーク・ゲイブル)。 長きに渡るこの二人のやりとりは、何ともいえぬ味があって、似た者同士の切れない縁に目が離せません。 とにかく素敵なレット 自由を謳歌し、お金持ちで、悠々としている遊び人。なんて素敵なんでしょう! 彼だけがスカーレットを操ることができる、そう思ったのに。。 心底惚れ込んでしまったことで、アシュレイへの嫉妬に苛まれ自棄を起こしてしまうのでした。 レットをこんなにしてしまえるスカーレットこそ、まさに恐るべし~と感じてしまう件ですね。 哀れであり悲しくもあり切ないところですが、こんな何もかも上手く行かないもどかしさも大河ドラマの醍醐味なのかもしれません。 メイドを演じたハティ・マクダニエル(右) 史上初めて黒人でオスカー(助演女優賞)を授賞しました 配役や演技はそれぞれに素晴らしくて、究極の淑女を演じたオリヴィア・ハヴィランドや、助演女優賞に輝いたハティ・マクダニエル、娼婦ベルなど、挙げればきりがありません。 映像が見事なら、配役も見事だし、壮大なスケール感も圧巻。 ‘タラのテーマ’には否応なく酔わされます。 映画は未見でも誰でもどこかで耳にしたことがあるはずのこの曲。 スカーレットの故郷タラの赤い土、何より土地へ深いの愛情が溢れたこの名曲は、易しく響いて作品にぴったりです。 たしかに4時間は長い そして濃い。 たっぷり時間のある日に、当時のアメリカを思い浮かべながらみるというのも味があって良いのではないでしょうか。 1939年・ヴィクター・フレミング監督・といえば「オズの魔法使」ですね。 どうやってこのふたつもの大作を撮り上げたのでしょう。 すごいことです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 監督 ヴィクター・フレミング 製作 デヴィッド・O・セルズニック 原作 マーガレット・ミッチェル 脚本 シドニー・ハワード 音楽 マックス・スタイナー 出演 ヴィヴィアン・リー クラーク・ゲイブル レスリー・ハワード 、オリヴィア・デ・ハヴィランド トーマス・ミッチェル 、バーバラ・オニール ハティ・マクダニエル 、ジェーン・ダーウェル ウォード・ボンド お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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