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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:アメリカ映画
ユダヤ系ギャングの半世紀に及ぶ友情・愛・裏切りをノスタルジックに描く一大叙事詩。 20年代初頭のニューヨークに住む少年ヌードルス(スコット・タイラー)は、仲間を率いて貧困街で悪事の数々を働いていた。ある日その町に越して来たマックス(ラスティ・ジェイコブス)と運命的な出会いを果たした二人は禁酒法の隙間をぬって荒稼ぎを続け、やがて大人になりギャング集団へとして伸し上がっていくが……。 レオーネ監督の遺作。 「ウエスタン」のレルジオ・レオーネfilm。通常でも3時間半の大作ですが、今回観たのはいつかBSで放映された完全版で4時間近い作品。 途中2度のインターミッションを挿みます。 西部劇の巨匠であるレオーネ監督は、「ウエスタン」もこちらも、まさに男気映画という印象。 男の世界、男の友情。骨太で、哀愁漂い、情緒ある音楽にじっくり見入った4時間でした。 十代で敵対するギャングのボスを殺し、刑務所に入るヌードルス。 大人になり、出所してきた彼が見たものは、禁酒時代に酒を振るまう高級酒場の事業の成功と、変わらぬ友情でした。 しかし、仕事を選らばなくなっていた親友マックスの非情さに、いつしか二人の間に深い溝が生まれます。 そんな時、マックスの情婦からそそのかされるままに、マックスを思って警察への密告を決意したヌードルス(デ・ニーロ)でしたが…… 結局、仲間は皆殺されてしまうのでした。 自責の念に駆られ、そのまま30年間も育った街を離れていたヌードルス。 ある日、そんな壮年の彼に突然に届いた謎の手紙をきっかけにして、故郷の街を再び訪れることとなるのです。 数え切れないほどの思いを抱え、手紙に隠された真実を探して―― 「回想シーンのデボラ(ジェニファー・コネリー)」 前半のほとんどを占める少年期のシーンが、あまりにノスタルジックで瑞々しく胸を打つので、中盤からのデ・ニーロやジェームズ・ウッズの熱演が色あせて見えるほどでした。 20年代初頭のニューヨーク。裏社会でのし上がろうとする少年たちの、背伸びした青春や友情や性への目ざめ。どれもまっすぐに心に響いて、色んな思いが湧き上がります。 どのエピソードも、今もこれからだってきっと褪せはしない素晴らしいシーン。 少年の頃からヌードルスがずっと愛し続けたたったひとりの女性デボラを演じたのは、これがデビュー作だったジェニファー・コネリー。 彼女の美しさと存在感は圧倒されるほどで、少年期のエピソードを更に良くしているのではないでしょうか。 大人になっても大切な役を担うデボラ、演じたのはこちらも美しいエリザベス・マクガバンでしたが、ジェニファー・コネリーの魅力の前では、やっぱり色あせて感じるほどでした。 「左・マックス(ラスティ・ジェイコブス)と 右・ヌードルス(スコット・タイラー) 少年たちの演技にも注目」 ギャングだった半生を捨てたヌードルスに届く手紙の謎は、サスペンスの味わい。 30年前のあの悪夢の日。仲間と貯め続けていたはずの大金が消え、仲間が皆が殺られたあの日。 本当は何があったのか―― 驚きの真実が明かされるサプライズは、今回少しだけ弱く感じました。 ここまでがあまりに長いので、これだけ?と思えてしまうのかもしれません。 デ・ニーロをはじめ、知人たちの老けメイクは違和感なくて、半世紀に及ぶ物語を興ざめすることなく魅せ続けてくれます。 音楽はとにかく秀逸。 「成人したマックスとヌードルス」 「同じくデボラ」 ラストシーンが印象的でした。 アヘン窟でのデ・ニーロのワンシーンは、冒頭の伏線も利いていて素晴らしいです。 不謹慎だけれど、映画などで使われる阿片というものになにか惹かれます。 ほかの麻薬には全く興味ないのに。 阿片窟は古くはシャ-ロック・ホームズ、「フロム・ヘル」のジョニデ、「スワロウテイル」などなど、描かれ方がよく、経験してみたものだと思ってしまいます。 監督 セルジオ・レオーネ 製作 アーノン ミルチャン 製作総指揮 クラウディオ・マンシーニ 脚本 レオナルド・ベンヴェヌーチ 、ピエロ・デ・ベルナルディ セルジオ・レオーネ 、ピエロ・デ・ベルナルディ エンリコ・メディオーリ 、フランコ・アルカッリ フランコ・フェリーニ 、レオ・ベンベヌーチ 原作 ハリー・グレイ 撮影 トニーノ・デリ・コリ 音楽 エンニオ・モリコーネ 出演 ロバート・デ・ニーロ 、ジェームズ・ウッズ エリザベス・マクガバン 、ジェニファー・コネリー ダーラン・フリューゲル 、ジョー・ペシ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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