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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:アメリカ映画
“不幸のオンパレード”をウリに世界中でベストセラーとなった児童書『世にも不幸なできごと』シリーズの映画化。裕福なボードレール家の三姉弟妹は、愛する両親を突然の火事で亡くしてしまう。身寄りのない三姉弟妹は、ほどなく遠縁の親戚オラフ伯爵(ジム・キャリー)が預かることに。しかし預けられてすぐ、三姉弟妹はオラフ伯爵の目当てが自分たちの遺産だと気づくのだが…。
久しぶりのレンタル店で、公開当時から気になってたこの作品をレンタルしてきました。 児童書を映画化したファンタジックな世界は、多くのものと同じように、大人から子どもまで楽しめるのではないでしょうか。 冒頭からの一言がまず面白くて、 “夢や希望のあるハッピーな結末をお望みならこの映画は観ないで”と始まります。 それは観なくちゃ! と思ってしまう(笑) 個性派俳優ジム・キャリーが、遺産目当てで子どもたちの命を狙うオラフ伯爵を演じます。 幾度も変装しては現れる、冷酷伯爵の奇怪な行動と容姿は、無条件に楽しめるのではないでしょうか。 そこに、突然親を亡くした三姉弟妹の個性が絡むと、期待した以上にいい味が醸し出されます。 原色の抑えられた寒々とした色遣いは、ストーリーの魅力と相まってとても好みでした。 ストーリーテラー(ジュード・ロウー)を置いての展開は、両親の死に謎を抱えたまま、不幸に見舞われてゆく子どもたちの物語を、さらに寓話チックに感じさせてくれます。 発明好きな長女14歳と、読書好きな弟と、なんでもかじる末っ子。 いまやお互いのほかに頼るもののない姉弟妹は、それぞれの長所を良く知っていて、信頼しあって、頭を使いながらピンチを切り抜けていきます。 不幸になってゆくけれど、そこに小さな幸せを見つけ出すことができる彼女たちの頑張りと強さは、今までありそうでなかったタイプの魅力。 地味だけどいい~ あんまり笑わない上の子の二人に、末っ子の笑顔はまるで太陽。 ‘幸せ’ってなにかを、ほんのり感じられる映画です。 監督 ブラッド・シルバーリング 製作 ローリー・マクドナルド 、ウォルター・F・パークス 原作 レモニー・スニケット 『世にも不幸なできごと1 最悪のはじまり』 脚本 ロバート・ゴードン 音楽 トーマス・ニューマン 出演 ジム・キャリー 、メリル・ストリープ エミリー・ブラウニング 、リーアム・エイケン カラ・ホフマン 、ティモシー・スポール ダスティン・ホフマン (ノンクレジット) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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