|
テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:アメリカ映画
少年時代から原因不明の記憶喪失に悩まされてきたエヴァンは、精神科医の助言により日記をつけるのが日課となっていた。13歳になったある日、幼馴染らと出来心でした悪戯が大事故を引き起こす。しかし、エヴェンにはそのときの記憶がないのだった・・・。 あれから、住み慣れた町を離れて大学生となった頃、しかしとつじょとして昔の記憶が蘇るのだった――。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ハリウッド至上、最も切ないラスト――そう宣伝されていた記憶があります。 絶賛する声も多く聞いて、ついつい過度に期待してしまいましたが、これがハリウッド至上最上かといわれたらそうでもない、というのが感想です。 神経症で入院中の父を持ち、幼い頃からたびたび記憶をなくす奇病をもったエヴァン。 虐待傾向のある父を持つケイリーと、その乱暴な兄トミー、気の弱いレニーとは幼い頃からの幼馴染。 ある13歳の日、彼らのちょっとした悪戯が大事故を引き起こします。 なにが起こったか全く覚えていないエヴァンでしたが、友情はもろくも崩れ、やがて彼の様子を心配した母親は町をでることを決めます。 以来、記憶喪失もおこらないまま、平穏な大学生となったエヴァン。 しかし、突如欠けていた記憶が戻りだした時、それがケイリーらと過ごしたあの忌々しい町へ訪ね帰るきっかけとなるのでした。 「13歳になったケイリーとエヴァン」 幼少の頃、ケイリーの父親から受けていた性的虐待の記憶、ケイリーとの初恋、そういった瑞々しくも痛々しい過去を背負って、大きくなった主人公。 自分の記憶喪失が、父親の病気と同じであることを知り、いつしか記憶から過去へ遡るタイムスリップする方法を見つけた彼は、幼馴染たちのその後の苦悩を知り、過去を変え始めるのです。 「大学生のエヴァンと変わり者のルームメイト」 物語に穴があるのはわかるけれど、サスペンスフルにすすむ展開に目が離せなくなります。 “バタフライ・エフェクト=小さな蝶の羽ばたきが、地球の裏で台風を引き起こすこともある” そんなカオス理論をテーマにして繰り広げられるタイムスリップものの良作ではないでしょうか。 彼が体を張って変えていく過去は、わずかでも未来に多大な変化を引き起こします。 どの未来も幸せとは思えないようなもの。 誰かが幸せだと、別の誰かが傷ついて、みんなの幸せをとると自分が不幸になっている・・・ 前半部分に置かれた伏線は、いまいち分かりにくいものでしたが、全体としてはスリリングで楽しめました。 「新しい現在 エヴァンとケイリーは恋人同士になるが ひずみはケイリーの兄トミーへ・・・」 引っ越してから大学生になるまで、ケイリーをある意味忘れていたのに(迎えにくるよ―そういいつつ行かなかった)、結果的には彼女と自分の関係に重きをおいて過去を変えるエヴェンには、いまいちピンときませんでした。 彼女の虐待で受けた傷を知っていて、癒したいと願うのは分かるけれど。 結局、一番最後に、これでいいと判断した決断が最も切ないと言わしめたラストなわけですが、そこはたしかに胸がキューンとなりました。 ああいうシーン、好きです。 けれど泣けなかったのは意外。もっとぼろぼろになるかと覚悟していたので。 あと三通りくらい用意されている結末。 どうしてもあると見ちゃいますね。 いつからでしょうか、もうひとつの結末、なんてものが定着したのは。 そのままが一番いいです。 モデル出身だという主演のアシュトン・カッチャーは、多様な演技を好演していますね。 幼少期、少年期、青年期。 こんなふうに紡がれていく人生を感じる作品は好きです。 監督・脚本 エリック・ブレス 、J・マッキー・グルーバー 製作 クリス・ベンダー 、A・J・ディックス アンソニー・ルーレン 、J・C・スピンク 音楽 マイケル・サビー 出演 アシュトン・カッチャー 、エイミー・スマート ウィリアム・リー・スコット 、エルデン・ヘンソン メローラ・ウォルターズ 、エリック・ストルツ (カラー・114分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[アメリカ映画] カテゴリの最新記事
|