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カテゴリ:イギリス映画
主人公ウィリアム・リー(P・ウェラー)はしがない害虫駆除員。妻(J・デイヴィス)は麻薬に手をだし、廃人の一歩手前。そんな中、かつては中毒者だった彼自身、自分の扱う怪しげな殺虫剤を試して、恐ろしい幻覚と溢れる想像力を交互に得るようになるが……。 ウィリアム・バロウズの作品は未読です。 彼がジャンキーであったことは有名らしく、妻をウィリアム・テルごっこで誤って射殺してしまった・・・という逸話もあるそう。 この件は本編にも登場していて、他にも映画化するにあたり、彼自身が新しい解釈を加えたりしてこそできた映画化だそうです。 想像以上に、ある意味すごい映画でした。 麻薬でラリっている人の頭の中とは、こういうものかもしれません。 ありえないものが見え、聞こえる世界。 主人公も、自分がスパイになったつもりで、奇妙な怪物たちのいる空間へ自ら迷い込むのです。 「怪物マグワンプ」 「蟲=タイプライター」 妻が害虫駆除剤を麻薬として使用していることを知ったウィリアムは、自らも薬を試して、麻薬捜査官に連行されてしまいます。 取調室で彼の前に現れたのは、巨大な喋るゴキブリ。 「スパイ活動をし報告書を提出しろ。敵のスパイである妻・ジョーンを殺せ」 そう命令されるウィリアム。 怖くなり巨大ゴキブリを殺して逃げ出しますが、今度は酔った勢いで誤って妻を射殺してしまいます。 途方にくれる彼に話しかけるは、怪物マグワンプ。 「インターゾーンに行き報告書を提出するように――」 命令に従いインターゾーンへ向かうウィリアム。 彼は麻薬組織の黒幕を見つけ出すことができるのか・・・。 ウィリアム(ピーター・ウェラー) 全体としてわけがわかりません。 怪物たちが普通に存在しているとこからして、ジャンルはSFでもありますね~ この世界では欠かせないタイプライターは、みな怪物が擬態したもので、ウィリアム自身も自分のタイプライターである蟲から指令を受けて動いています。(可笑しな話!) 幻想のなかの出来事として、噛み合わない部分も軽く流してしまえば、ゆるい辺りも好印象でした。 グロテスクさ、ふと「デリカテッセン」を思い出す感じでしたが、近未来のようなSFチックな作品であるからかも。 さすが「ザ・フライ」のクローネンバーグ監督。人体や蟲の生物学的なエグさが出ていました。 大学では生化学を専攻していたそうです。 妻殺しを命じられ、殺すつもりなどないのに誤って殺してしまうウィリアム。 その後、妻に良く似た女性を好きになり二人でインターゾーンを去る場面でも、再び彼女のことも誤って殺してしまいます。 最後のは確信犯にも見える。 麻薬に取り付かれた夫婦の夫が、その決別のために妻を殺しているかのように見えました。 自分はひとり新しい世界へ旅立つ―― 妖艶で不思議な魅力のジュディ・デイヴィスと、主人公を演じたピーター・ウェラーははまり役でした。 麻薬組織の黒幕が誰か・・・謎解きの物語でもあるけれど、単純に映像と狂った世界を楽しむのも良しかもしれません。 監督・脚本 デヴィッド・クローネンバーグ 製作 ジェレミー・トーマス 原作 ウィリアム・バロウズ 撮影 ピーター・サシツキー 音楽 ハワード・ショア 出演 ピーター・ウェラー 、ジュディ・デイヴィス 、イアン・ホルム ジュリアン・サンズ 、ロイ・シャイダー モニーク・メルキューレ 、ニコラス・キャンベル マイケル・ゼルニカー 、 ジョセフ・スコーシアニー (カラー/117分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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