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2007.05.11
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カテゴリ:フランス映画


  1888年のパリで上流向けのクラブを営んでいたダングラール(ギャバン)は、下町のキャバレーで見初めた踊り子ニニ(アルヌール)に触発され、カンカンを復活させた新しいショウを考え付く。しかし女性にもてる彼やニニをめぐり、恋のバトルが幾つも勃発して・・・。


 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



  近年ハリウッド映画のタイトルにもなったキャバレー“ムーラン・ルージュ”。
その創設にあたって巻き起こる出来事を、恋と踊りと唄の数々で描いた大作です。
ただ華やかなだけじゃない。
恋の甘きも苦きも、嫉妬も悦びも織り込んだ、フランス映画らしい恋愛模様が楽しめました。
カンカンを披露するまでの紆余曲折を楽しみ、ラストの圧巻なショーは爽やかな感動を残してくれます。

ダングラールは、新人を見つけては華やかな舞台へ送り出してきた、やり手のクラブオーナー。
ある日、下町で踊るニニに出会ってから、彼女に夢中になります。
沢山の踊り子を集めてカンカンのショーをはじめるため、全財産をつぎ込み大きな店を買い取るのですが・・・これまでのスター・ローラやニニの恋人は、二人に嫉妬して大騒ぎとなるのです。
そこに新たなライバル、アラブの王子まで登場して、どの恋もまったく巧くいきません。


フレンチカンカン  FRENCHCANCAN1954.jpg



華やかな舞台ができるまでのバックステージものとしても楽しい作品です。
もちろん劇中劇の舞台も楽しくて、一石二鳥。
本番前のドキドキとか、舞台裏の喧騒、ハプニング。そんな前半からは思いがけない魅力もぐんぐん表れてくる作品でした。

資金繰りがうまくいかずムーラン・ルージュ計画が凍結するような、つまずきのドラマもあるし、アラブ王子のニニへの猛烈な恋もある。
なんとも賑やかな映画ですね~


ニニがすっかり夢中になってしまったダングラールに、本番前一喝されるシーンが素敵。
ダングラールにすれば、新人を探し続けてそのたびに恋をするのが人生。
そのことを率直に諭して聞かせるこのシーンは、彼女とローラの間の確執さえも吹き飛ばしてしまいます。
恋する乙女が一気に舞台女優へと生まれ変わるような、そんな瞬間。
あとは本番があるのみです。

無事みんなを送り出したダングラールが、舞台裏でカンカンの音楽にうっとり満足顔をするシーンが印象に残ります。
そのまま感無量――と死んでしまうのか?!と思うほど。
曲にノリだして思わず一緒になって足を上げる姿、いても立ってもいられず舞台の成功を確認すべく客席へと出ていく姿・・・女たらしの中年男ダングラールのはずが、とても素敵に見えてくるのがいい!
さすが名優ジャン・ギャバン。惚れ惚れしました。




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 監督・脚本  ジャン・ルノワール
 撮影  ミシェル・ケルベ 、クロード・ルノワール
 音楽  ジョルジュ・ヴァン・パリス  
 出演  ジャン・ギャバン 、フランソワーズ・アルヌール
      マリア・フェリックス 、フィリップ・クレイ
      ミシェル・ピッコリ 、ジャンニ・エスポジート
      エディット・ピアフ
  
  (カラー/102分)
 








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Last updated  2007.05.18 15:50:37
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