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2007.06.03
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カテゴリ:アメリカ映画


  第一次世界大戦、フランスの最大の課題はドイツ軍の撃退だった。そんな中、ドイツ軍の要所を攻略する命令を受けたダックス大佐(カーク・ダグラス)は、壊滅的打撃を受けるとして抗議。しかし、軍上層部は無視し作戦は実行されるのだった・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



  映画を観ていると、好きな監督ができるもので、私にとってスタンリー・キューブリックはその一人です。
初めて観たのは「時計じかけのオレンジ」。
それから監督作を着実に観てきて、今未見なのはデビュー作「非情の罠」だけとなりました。

「アイズ・ワイド・シャット」が完成した年・1999年に、キューブリックは71歳でこの世を去りました。
数々の傑作を生んだ大好きなキューブリックが、12年ぶりに新作を撮ったと知って、驚きと早く観たい気持ちでいっぱいになったのを覚えてます。
けれど、当時唯一の劇場が潰れた辺ぴな町に住まっていた私は、劇場へ出向くことも出来ず・・・結局映画館で氏の作品を観ることは叶いませんでした。
生涯で撮りあげた映画はわずか12作品と大変少ない人です。



現金に体を張れ」の翌年に製作された「突撃」。
キューブリックがずっと反戦のスタンスを持ち続けたこと、独自のブラックユーモアと風刺で作品を撮ってきたことは、有名です。
サイコホラー、文芸、SF、ロマンス、サスペンス、アクション・・・多彩な作品群にはもちろん戦争映画もありました。
こちらはその中のひとつ。

舞台は一次大戦のフランス軍。
ここからしてブラックユーモアといえそうな、生粋のアメリカ人演じるフランス軍の物語。
ブルーラール大将(アドルフ・マンジュウ)がミロー将軍(ジョージ・マクレディ)に「48時間以内に主要の地アント・ヒルを占拠せよ」と命じます。
ミロー将軍の部下・ダックス大佐率いる連隊は、無謀な命令と知りながらいざその時がきて、突撃してゆくのですが―――


h_0601_03.jpg  totugeki2.jpg
 
「塹壕、出陣前のダックス大佐(左)とミロー将軍(右)」             「誠実なダックス大佐(カーク・ダグラス)」 



作戦が失敗に終るのは当然でした。
死傷者は数多く、作戦失敗の怒りからミロー大将は退却を命じる前に、なんと見方へ砲撃せよ!とまで命じるのです・・・
翌日、開かれた軍法会議。
司令部の判断ミスを擦り付ける形で、‘敵前逃亡’したとして無罪の3人の兵士が裁かれることなるのです。
ダックス大佐の弁護も叶わず、罪を着せられた三人の兵士は死刑となってしまうのでした。
ミラーの罪もブルーラール大将の前では、もみ潰されるだけ・・・


このどうしようもない権力の暴挙を、抑え気味のアクションシーンと短尺で、一気に見せます。
上層のブルーラールとミローの残酷な仕打ちは、人間を駒としか見ないような非情さで、いかにもという描き方でした。
対するダックス大佐は、堅実で人間味ある主人公で、どうかふたりをギャフンといわせてくれ――と思うのですが、キューブリックの演出はさすがで、どうにかなりそうでならないのです。
処刑の日、死にたくないと喚く兵士たちを前にして、淡々と刑は執行されてしまうのでした。


短い中に、抑えた中に、鋭く込められた風刺。
わざと臭くない、さりげないどのシーンにも、存在感があるのがすごいといつも思います。
とにかく目が離せない。
バーでのラストシーンで、ドイツ娘の恋唄を聴きながら、涙を流す兵士たちの人間らしさ、それを見つめるダックス大佐の落ち着いた優しげな表情が、まだまだ戦争が続いていくことと相まって、やるせなさを残します。
カーク・ダグラスはこの後の「スパルタカス」でもキューブリック作品に出演していましたが、どちらも素晴らしい。名演です。





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 監督  スタンリー・キューブリック
 製作  ジェームズ・B・ハリス
 原作  ハムフリー・コッブ
 脚本  スタンリー・キューブリック 、カルダー・ウィリンガム
      ジム・トンプソン
 音楽  ジェラルド・フリード  
 出演  カーク・ダグラス 、ラルフ・ミーカー
      アドルフ・マンジュー 、ジョージ・マクレディ
      ウェイン・モリス 、リチャード・アンダーソン

   (モノクロ/86分)








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Last updated  2007.06.11 07:00:54
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