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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:アメリカ映画
実在の映画監督で“史上最低の監督”と謳われた、エドワード・D・ウッド・ジュニア、通称エド・ウッドの伝記的作品。 50年代のハリウッド。スタジオの片隅で使い走りをするエドは、映画監督になる日を夢見ている。ある日、性転換をした男性の物語を監督することに決まり、偶然知り合った往年のドラキュラ俳優ベラ・ルゴシを出演させて、映画「グレンとグレンダ」は完成するのだが・・・。 ティム・バートンのエド・ウッドへ対する敬愛の気持ちが、とても伝わる素敵な映画。50年代のハリウッドの様子が楽しめた。 女装癖のある憎めないエドは、今では名優の域となったジョニデが演じている。かなりベストな配役だった。 1956年に他界しているベラ・ルゴシを演じているのはマーティン・ランドー。似ていて笑える! 落ちぶれてしまった往年のスター、ルゴシに哀愁を感じずにはいれない。怪演が切なく味わい深い。 撮影現場でたまらず女装したり、映画を作るために口から出まかせ言ったり、しょうもないエドだけれど、明快な彼の言動を見ていると、底抜けの明るさも人情深い優しさも、ひとりの人としてすごく魅力的になってきた。 落ちぶれて麻薬漬けのルゴシと、友人として最後まで付き合うエド。彼亡き後、遺作となる最後フィルムの中に動くルゴシを見つめる姿にジーンときてしまう。 エドの新恋人を演じたパトリシア・アークエットも最高! エドの女装癖さえ許してしまう、変わり者の彼女の強さもまた魅力的なのだった。 バックステージものとしても良質で、各所でくすくす笑え、そして映画への愛を感じる。流石、ティム・バートン。『シザーハンズ』から始まり、『スリーピー・ホロウ『『チャーリーとチョコレート工場』――幾度もコンビを組んできたふたりは黄金コンビ。 最後にはきっとエドワード・D・ウッド・ジュニアの映画が観たくなるはず。史上最低監督の異名は、きっと愛すべきという意味もかねているのだ。たくさんの人が今なおエド・ウッドの最低映画を楽しんでいるのだから。 監督 ティム・バートン 製作 デニーズ・ディ・ノヴィ 、ティム・バートン 脚本 スコット・アレクサンダー 、ラリー・カラゼウスキー 撮影 ステファン・チャプスキー 音楽 ハワード・ショア 出演 ジョニー・デップ 、マーティン・ランドー サラ・ジェシカ・パーカー 、パトリシア・アークエット ジェフリー・ジョーンズ 、G・D・スプラドリン ヴィンセント・ドノフリオ 、ビル・マーレイ (モノクロ/124分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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